JR東、新幹線で通販商品を輸送
高輪ゲートウェイ駅前に特産品の特設市場

JR東日本は24日、農水産物の直売を手掛けるポケットマルシェ(東京・渋谷)と連携し、通販サイトで予約した農作物を新幹線で輸送する取り組みを始めた。新幹線の速達性を生かし、東北地方の新鮮な果物や卵を高輪ゲートウェイ駅(東京・港)前に設けた市場で販売する。非旅客輸送事業の強化を図るとともに、沿線の活性化を目指す。
農作物はポケットマルシェのウェブサイトを通じて予約する。サイトにはSNS機能もあり、生産者に調理法を相談するなど関係を深められる点が特徴だ。JR東系の通販サイト経由でアクセスすることで、同社のポイントもたまる。

市場は2021年3月まで月に1度、週末に開く予定。東北地方の農家らが駅前に出店し、東京の消費者と交流しながら販売する場も設けた。JR東の事業創造本部の高木浩一担当部長は「購買体験から実際に生産地を旅行してもらう新たなビジネスモデルを作りたい」と意気込む。
JR東は新幹線車両の空きスペースを活用した「貨客混載輸送」の取り組みを強化している。10月中旬からは鮮魚を仙台から東京へ運ぶ新幹線輸送を定期便化した。新型コロナウイルスの影響で落ち込む旅客収入を補い、収益を多角化するねらいだ。