首相「日米で抑止力強化」 中国・北朝鮮の脅威念頭 富士山会合

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2020/10/24 9:43 (2020/10/24 11:47更新)
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富士山会合の会場に映し出された菅首相のビデオメッセージ(24日午前、東京都港区)

富士山会合の会場に映し出された菅首相のビデオメッセージ(24日午前、東京都港区)

日米の政府関係者や有識者らが国際問題を話し合う「富士山会合」(日本経済研究センター、日本国際問題研究所共催)が24日、都内で開かれた。菅義偉首相は中国や北朝鮮など周辺国の脅威が増すなか、日米の連携を一層強化していくと訴えた。

首相は会合にビデオメッセージを寄せた。北朝鮮による核・弾道ミサイルの開発や中国の脅威を念頭に「日本と周辺地域の安全を確保するには日米同盟の抑止力を強化していくことが極めて重要だ」と述べた。

東シナ海や南シナ海では中国の軍事活動が活発になっている。首相は「安全保障環境は厳しさを増している」と指摘し、中国とロシアを含む近隣諸国とは「安定的な関係を築くための外交を展開する」とも話した。

北朝鮮による日本人拉致問題についても触れ、「早期解決に向けて全力で取り組み、米国や関係国と連携していく」と強調した。

2020年は現行の日米安全保障条約調印から60年の節目にあたる。菅首相は「戦後の長い間、地域に平和と繁栄をもたらしたのは日米の同盟関係と協力だ」と力を込めた。

日米の相互理解の促進と日米関係の発展に長年貢献してきたことをたたえる「富士山会合生涯功労賞」に選ばれた安倍晋三前首相は会場で、「(日米)同盟強化のためには互いの努力が大切だ」と述べた。台頭する中国への懸念を示し、「安全保障に関わる政策は諦めずに息長く進める必要がある」と語気を強めた。

西村康稔経済財政・再生相も登壇し、日本の経済再生と新型コロナ対策について講演した。

パネル討論する米ハーバード大のジョセフ・ナイ特別功労教授(スクリーン右上)ら各氏(24日午前、東京都港区)

パネル討論する米ハーバード大のジョセフ・ナイ特別功労教授(スクリーン右上)ら各氏(24日午前、東京都港区)

「米中対立の行方」をテーマにしたパネル討論では、ジョセフ・ナイ米ハーバード大学特別功労教授が激しさを増す米中対立について「中国と競争を厳しくする一方、協力することも重要だ」との認識を示した。高原明生・東京大教授も「多くの企業は中国市場への投資を試みている。協力を忘れてはいけない」と指摘した。

兼原信克・前官房副長官補は、アジア各国が民主化を進めてきた一方で「中国は(民主化の)道から外れている」と批判した。東シナ海や南シナ海での中国の動向を念頭に「中国はアジアの共栄を考えていない」とも話した。

ランドール・シュライバー前米国防次官補は、サイバー防衛や宇宙開発の分野だけでなく、軍事向けの資金をアジアに割り当てることが大切だと述べた。その上で「日米同盟は有事への対応について規定を設けるべきだ」と求めた。

富士山会合は今回が7回目。米中対立やインド太平洋戦略における日米同盟の役割などについて議論した。今年は新型コロナの影響でオンラインとリアル会場を組み合わせた形式で開催した。

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