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愛知・岡崎新市長の公約「5万円支給」、実現性は

愛知県岡崎市長選で初当選した中根康浩市長(58)が掲げた「全市民への5万円支給」の公約に注目が集まっている。市民から「家計の足しになる」と歓迎する声が上がる一方、「本当に実現できるのか」と疑問の声も。必要な財源は193億円超。市は貯金にあたる財政調整基金などを充てる方針だが、実現へのハードルは高そうだ。

岡崎市の新市長に就任した中根康浩氏(同市提供)

「新型コロナウイルス対策として全市民に税金を5万円ずつお返しし、年末の不安を解消して年越しを迎えていただきたい」。中根市長は21日の就任会見でこう強調した。12月25日までの支給を目指し、制度設計を担う特命チームをつくる。

市民からの反応は様々だ。主婦(47)は「コロナで先行きが見えない時なので、非常にうれしい」と歓迎。パートの女性(46)も「少しでも家計の足しになれば」と話す。ただ「お金で釣って当選したイメージ。実現できるかもわからない」(53歳の男性会社員)との批判も聞こえる。

市によると、全市民約38万6千人に5万円ずつ配ると193億円超が必要で、基金の取り崩しなどで捻出する考えだ。基金は9月末時点で、比較的自由に使える財政調整基金が約81億円あり、このほか学校など公共施設の改修や公園の整備のために積んだ基金などが計110億円超ある。ただ、既に使い道が決まった基金を取り崩すには、市議会で条例を改正する必要があるという。

市長は総額80億円を見込む市内のコンベンション施設の建設計画の中止も掲げた。内訳は建設費が約50億5千万円で、15年間の運営費が約25億6千万円。建設費は完成する2024年春に市債を発行して業者に支払う予定で、運営費も完成以降に生じる負担金だ。手元に80億円があるわけではなく、計画を取りやめても財源にはならない。

中根市長は会見で「金融機関からの借り入れなどで賄えないか専門家に確認していきたい」と述べた。ただ、一般的な現金調達手段で、金融機関などから借り入れる市債発行は地方財政法の制限で原則建設事業にしか使えず、実現は難しい。

結局、5万円支給には大半の基金を取り崩すことで財源を捻出するしかないとみられる。市長は11月5日に開く臨時議会で関連する条例案などを提出する方針だが、基金取り崩しはインフラ整備の遅れなど市民サービスの低下につながる恐れがあり、議会の了承が得られるかは不透明だ。冬場に新型コロナ感染が再燃すれば対策費用も必要になる。新市長は就任早々、難題に直面している。

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