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ファーウェイ減速鮮明 増収9.9%止まり、1~9月

7~9月期のスマホ出荷台数は半導体不足の影響で落ち込んだとみられる(広東省広州市の販売店)

【広州=川上尚志】中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は23日、2020年1~9月期の売上高が前年同期比9.9%増の6713億元(約10兆5千億円)だったと発表した。1~6月期の13%増から減速した。米政府の規制で半導体の調達が制限され、主力のスマートフォンの販売が落ち込んだようだ。通信基地局も欧州で排除の動きが強まり、事業環境は厳しさを増す。

ファーウェイは非上場で、四半期では売上高と売上高純利益率だけ公表している。1~9月期の純利益率は8.0%で1~6月期の9.2%から低下した。売上高の約5割を占めるスマホなど消費者向け端末事業が落ち込んだとみられる。

韓国SK証券によると7~9月期のファーウェイのスマホの世界出荷台数は4500万台。前年同期に比べ3割強減ったという。

米商務省は米国の技術が関わる半導体のファーウェイへの輸出を原則禁じる措置を打ち出し、9月15日に発効した。半導体はスマホなどに不可欠で、ファーウェイは在庫を積み増して対応してきたが「7~9月期はスマホの出荷を抑えざるをえなかった」(中国のスマホ業界のアナリスト)。

ファーウェイのスマホを受託生産する広東省深圳市の工場の社員は10月中旬、日本経済新聞に「残業はあり忙しい」と答えるなど、生産ラインは稼働が続いているようだ。ただ20年のスマホの生産計画は前年より2割少ない1億9千万台前後になるとみられる。部品の在庫は残り6カ月分程度との見方もあり、21年の生産は一段と減る見通しだ。

新機種開発への影響も広がる。ファーウェイは22日、最新の旗艦スマホ「Mate40」を発表した。自社で設計した半導体「キリン」を搭載し性能をアピールしたが、同半導体はすでに作れなくなっている。米規制を受け、生産の委託先であった台湾積体電路製造(TSMC)と取引できなくなったためだ。ファーウェイは自社のスマホにキリンを搭載し競争力を高めてきたため、開発を見直さざるを得ない。

事業環境の厳しさが増し、ファーウェイがスマホ事業の一部を売却するとの観測も出ている。ロイター通信は14日、ファーウェイがスマホの低価格帯ブランド「HONOR(オナー)」の売却を検討中だと報じた。売却先として中国のIT(情報技術)大手などの名前が挙がっている。

スマホと並ぶ主力事業である基地局など通信インフラ事業への逆風も強まる。米政府は安全保障上の懸念を理由に、高速通信規格「5G」の通信網からファーウェイの基地局などの機器を排除するよう各国に呼びかけている。

英国が27年までにファーウェイ機器を排除すると7月に決め、フランスも事実上追随する方針だ。スウェーデンの郵便電気通信庁も20日、5G通信網でファーウェイ機器の利用を禁じると発表した。市場から閉め出される圧力は強まる。

ファーウェイは新たな技術開発へ、自国の研究者との連携に活路を見いだそうとしている。「基礎研究こそが工業の力強さにつながる」。創業者の任正非(レン・ジェンフェイ)最高経営責任者(CEO)は7月以降、上海市や北京市の名門大学を相次いで訪問し、連携を呼びかけた。

12日には北京市でファーウェイの研究者と大学の博士号取得者が交流する拠点を開設した。ただ半導体などで米国の先端技術から切り離される影響を補うのは現状では困難だ。製品販売の規制が緩和する見通しは立たず、業績下振れは続く可能性が高い。

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