医療に5G、専門医が遠隔で指示 ドコモが実証実験

2020/10/23 20:12
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NTTドコモは23日、東京女子医科大学と次世代通信規格「5G」を用いた遠隔医療の実証実験を実施した。診療現場と遠隔にいる専門医を結んで超音波診断画像などを双方向で通信した。専門医が高精細な映像を見ながら遠隔で診察や手術を支援できるようにし、地方の医師不足などの課題に応える。

実証実験の様子。5Gで超音波診断画像を伝送し、遠隔から専門医が指示を与える

医療機器を搭載した専用車両を活用した

実験はドコモが今年3月に商用化した5Gの基地局などのインフラを使って実施した。5Gを用いた遠隔医療の実験はこれまでも例があるが、専用の通信環境を構築する必要があった。今回は実用化を視野に既存のインフラを利用した。

同日公開した実験では医療機器を搭載した専用車両を東京都臨海部のお台場に設置。車両内で撮影した患者役の心臓の超音波画像を5Gを介して東京女子医大の専門医にリアルタイムで送った。観察する箇所などについて専門医が指示を与え、車両内の医師の診断を助けるデモを見せた。

5Gを使うことで、4Kの超音波画像を毎秒40メガ~50メガビットの速度でリアルタイムに伝送できた。従来の4Gでも対応できる通信速度だが、5Gを使うことで遅延の少ない安定した通信が可能になる。ドコモのクラウドサービスを併用することで伝送時の情報セキュリティーにも配慮した。

今後は実証実験を重ねるとともに法規制への対応を進め、数年後の実用化を目指す。地方での診察を大都市の専門医がサポートしたり、災害や事故の現場に派遣した車両内での手術を遠隔から専門医が支援したりする仕組みを構築する狙いだ。

ドコモは今年3月に商用化した5Gで注力する取り組みの一つに、遠隔医療を掲げている。実証実験に同席した同社の中村武宏執行役員は「5Gの応用として遠隔医療への期待は大きく、地域医療支援などに貢献したい」と話した。

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