/

米大統領選の討論会 コロナ対策、両者決め手欠く

【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領(共和)とバイデン前副大統領(民主)の22日のテレビ討論会は、新型コロナウイルス対策などを巡って激しい応酬となった。接戦を左右する最後の論戦だが、両者とも決め手を欠くまま終わり、11月3日の投票日を迎えることになる。

討論会に臨むトランプ氏(左)とバイデン氏(22日、南部テネシー州ナッシュビル)=ロイター

「我々は『暗い冬』に向かおうとしている」。この日のバイデン氏はコロナで有権者の不安をあおり、トランプ氏が再選すれば事態が悪化すると印象づけようとする場面が目立った。「22万人が亡くなった。多くの死者に責任を持つ人間が米大統領の座にとどまるべきではない」と断じた。

トランプ氏は「私がすべての責任を取る」と言いつつも「ウイルスがやって来たのは私が悪いのではなく、中国のせいだ」と開き直った。「私も感染したが、すぐに回復した」と体験談に触れながら、治療法の開発などこれまでの政権の対応を自賛した。

コロナを巡る現状認識の違いは際立っている。トランプ氏は「峠を越えつつある。すぐになくなる」と豪語した。特に南部フロリダや同テキサス、西部アリゾナの3州を挙げて「(感染者が)急増したが、今はなくなった」と激戦州の有権者に訴えた。バイデン氏は「我々は死にかけている」と厳しい見方を表した。

世界で最も多い米国のコロナ感染者は800万人を超え、夏にいったん減少したものの直近では再び増加傾向にある。有権者の関心は、どちらの候補が経済回復とコロナ収束を両立できるかだ。

カギを握るのがワクチンだ。トランプ氏は「準備ができている。(承認が)数週間以内に発表される」と前のめりな姿勢を貫いた。ファイザーなど米欧企業が臨床試験(治験)の完了を急ぐなか、バイデン氏は「来年中ごろまでに大部分の米国人が接種できる見通しは立たない」とメーカーの開発力に疑問を呈した。

「包括的な計画がない」。バイデン氏はトランプ氏の対応力を改めて酷評したが、自身も「マスク着用を促したり検査を迅速にしたりする」と現行の延長線上にとどまり、具体的な代案を示さなかった。ワクチンを嫌う人にどう接種を促すかを問われたが「完全な透明性を確保する」などと抽象的な表現に終始した。

どれくらいのペースで行動規制を緩めて経済活動を再開するか。本来であれば政策の違いが明確になるテーマだが、議論は深まらなかった。

双方が抱える疑惑を追及する場面もあった。トランプ氏は「私は中国でもウクライナでも金もうけをしていない」と発言。バイデン氏の息子であるハンター氏がウクライナと中国でのビジネスで不適切な利益を得ていたとの疑惑を追及し、バイデン氏は「根拠がない」と反論した。

バイデン氏もトランプが納税額を低く抑えていたとの疑惑に言及し、トランプ氏が「納税申告書を全く公開していない」と批判した。トランプ氏は中国の銀行口座を持ち、これまで公開していなかったとの報道がある。トランプ氏は指摘される口座について「(前回の大統領選に)出馬する前の15年に閉じた」と述べた。

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン