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デジタル教科書、来年度にも利用時間増 文科省

文部科学省はデジタル教科書の普及に向け、授業で使える時間制限を見直す。教科ごとで授業時間数の2分の1未満としている現行の活用指針を緩和し、年内にも具体的な増加幅をまとめた上で、早ければ2021年度から適用する。健康面への配慮などから当面は紙の教科書も併存させる。

萩生田光一文科相は23日の記者会見で、20年度中に小中学生全員に学習用端末が行き渡ることを踏まえ「デジタル教科書をより有効に使えるようにする制度の見直しが必要だ」と述べた。

文科省の調査では、今年3月時点でデジタル教科書を使う小中高校などは8.2%にとどまる。21年度の教科書のうち95%はデジタルでも発行を予定していることから、萩生田氏は「実態と合うよう検討を加速させたい」と語った。

デジタル教科書は18年の学校教育法改正を経て、19年度から紙との併用が認められるようになった。改正法では、内容が同一であれば「教育課程の一部において」デジタル教科書に置き換えられると規定した。

文科省がまとめた現行の活用指針は、目の疲れなど健康面に配慮し、各教科の授業時間数の2分の1未満としている。併せて画面と目を30センチ以上離すことや、健康診断で心身への疲れを確認するよう求めた。小学校低学年など視力が発達する段階での使用には一定の配慮が必要とする専門家の意見を反映させた。

萩生田氏も会見で「発達状況に応じて段階的に緩和するよう検討する」と言及。同氏は平井卓也デジタル改革相らとの会談で「全てデジタル教科書にすべきだ、との意見があった」としながらも「紙には紙の良さがあり、現場の意見を聞く必要がある」と述べ、全てをデジタルに置き換えることには慎重な考えを示した。

文科省は21年度予算の概算要求で、小学校高学年や中学校向けに一部科目でのデジタル教科書購入費を援助する関連費を計上。一部の学校にはデジタル教科書を配り、健康面などへの影響を検証する。小学校の教科書は24年度、中学校は25年度に改訂を予定しており、同省は次期改訂を見据えて制度設計を進める。

検定・無償化の対象外


 デジタル教科書を巡っては、使用時間以外にも様々な課題がある。
 現在の教科書検定制度は全て「図書」を対象とする。動画などデジタルコンテンツを盛り込む電子媒体は審査できず、紙と異なる内容は教科書として扱えない。
 教科書無償化の対象も「図書」となっている。国は年間約450億円を負担して義務教育分を無償としているが、対象から外れるデジタル教科書は有償のままだ。こうした事情から学校現場での普及が進まないとする指摘もある。

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