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観客8割以上、プロ野球で検証 東京五輪へ試金石に

(更新)
横浜スタジアムでは30日~11月1日、収容人数の8割以上の観客を入れた試合が計画されている=共同

大規模イベントの入場制限緩和を見据え、プロ野球で収容人数の8割以上を入れる実証実験が30日から横浜スタジアム(横浜市)で始まる。スマートフォンや高精細カメラなどの技術を使い、感染リスクや対策を検証する。同スタジアムは東京五輪の競技会場となる予定で、観客を入れた開催に向け試金石となる。

実験は政府の新型コロナウイルス分科会で了承を得ており、30日から11月1日のDeNA対阪神の3連戦で行う。神奈川県や横浜市に加え、NECKDDILINE、ディー・エヌ・エーの各社が協力する。

1万人超の観客が入るプロ野球などのイベントは現在、収容人数の50%を上限としているが、30日は販売可能な席(約3万2千人分)の8割を上限とする。31日は上限を9割、11月1日は満席と段階的に引き上げていく計画だ。3日間かけ、人の流れのデータを集めたり、感染者が出た場合に速やかに通知したりする仕組みを検証する。

感染防止に必要な観客のデータを集めるため、スタンドやコンコース、球場外周に計13台の高精細カメラを設置。マスクを着けた観客の割合のほか、トイレや売店周辺の混み具合、入退場時の人の流れを調べる。スタンド内の二酸化炭素(CO2)濃度や風速計による空流のデータなどを用い、スーパーコンピューターで声援による飛沫の広がりなどを分析する。

感染防止策ではスマホを活用。店頭など場内の数十カ所にビーコン(電波受発信器)を置き、ブルートゥースを使って近くにいるスマホの位置情報を把握する。それをもとにトイレや店の混雑状況をほぼリアルタイムで観客が確認できるようにして密を防ぐ。

国の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の利用を促すほか、あらかじめ座席を登録しておけば近くの席で感染者が出た場合にLINEで通知を受けられる仕組みもテストする。

ほかにも分散入場を呼びかけ、試合後はブロックごとに退場し、出入り口や駅での混雑を緩和する。

イベントの感染対策に詳しい国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「混みがちなトイレや売店周辺など、エリアごとの混雑データを分析・検証し、対策強化につなげる機会になる」と話す。

プロ野球では11月7、8日も、東京ドーム(東京・文京)の試合で制限緩和を行う計画がある。横浜スタジアムは来夏の東京五輪で野球とソフトボールの会場に使われる予定で、政府関係者は「国内のプロスポーツで多数の観客を入れて興行できることが実証できれば、五輪に向けた大きな後押しになる」と注視する。

五輪の観客の感染防止対策は、今後、政府と都、大会組織委員会が参加する新型コロナ対策会議で議論される。

11月に来日する国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長はこれまで「海外からの観客も来る前提で動いている」と強調。IOCや日本側は、こうした実証実験や国際大会などの動向を踏まえながら、観客の規模を判断するとみられる。

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