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対中政策は両氏に温度差 バイデン氏、貿易戦争に懸念

【ワシントン=河浪武史】トランプ氏とバイデン氏は、互いに強硬的な対中政策を掲げながら、具体策を巡っては微妙な温度差をのぞかせた。

討論会を終えたトランプ大統領(中)とバイデン氏(右)=AP

「中国を国際ルールに従わせる必要がある」。バイデン氏は中国の知的財産権の侵害などを強く批判した。ただ、具体策は「トランプ氏とは異なる手法をとる。彼は対中貿易赤字を縮小するのではなく、増加させた」と述べ、制裁関税による泥沼の貿易戦争に批判的なトーンをにじませた。

バイデン氏は選挙戦の序盤に「トランプ氏の関税政策は手法が古い」と制裁関税の見直しを示唆したことがある。8月に決定した民主党の政策綱領でも「自滅的な関税政策には頼らない」と盛り込んでいる。バイデン氏は「中国に国際ルールに従うよう、同盟国と組む必要がある」とも主張した。

トランプ氏は「中国からの関税収入によって、農業事業者に280億ドルもの補助金を支給できた」などと反論した。バイデン氏は「その関税収入は、米国民が負担したものだ」とすかさず口を挟んだが、トランプ氏は「中国は通貨安誘導によって、制裁関税分を負担した」と指摘。中国が対米輸出品の価格を引き下げたことで、米国民の負担は実質的には増えていないと強調した。

選挙戦は最終盤に入ったが、中西部などの激戦州では僅差の接戦だ。対中政策は2016年の前回選挙と同様に、製造業の労働者や農業事業者の関心が極めて高い。トランプ氏の関税政策には国内外から強い批判があるものの、バイデン氏に具体策があるわけでもない。有権者の対中政策への判断も揺れ動くことになりそうだ。

「パリ協定によって、何千万人もの雇用を犠牲にするつもりはない。中国は2030年まで(温暖化ガスの排出を)減らすことはない。あまりに不公平だ」。トランプ氏は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を正当化してみせた。シェール産地の南部や中西部は共和党の支持基盤で、トランプ氏は環境規制の緩和を1期目の成果として誇った。

バイデン氏は環境規制の強化に転じ、再生エネルギーなどに巨額の政府予算を投じる考えだ。民間調査機関はインフラ投資への歳出規模は10年で4.5兆ドルも増えると分析。同氏は「ウォール街の試算によると、この計画で1860万人も雇用が増える」と主張した。 ただ、巨額投資の財源として、同時に10年で4兆ドル超の増税も必要になるとされ、トランプ氏は「米経済を破壊する」と強く批判した。バイデン氏は「気候変動は人類の脅威だ」と主張したが、温暖化問題は増減税論と一体で議論され、米世論を大きく二分している。

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