高校ラグビー、感染対策し花園へ W杯の熱狂から1年

2020/10/25 2:00 (2020/10/25 21:58更新)
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練習する中部大春日丘高校のラグビー部員(1日、愛知県春日井市)

練習する中部大春日丘高校のラグビー部員(1日、愛知県春日井市)

日本代表の活躍に沸いたラグビーワールドカップ(W杯)の熱狂から1年。新型コロナウイルスの影響で存分な練習が難しいなか、100回目の全国高校ラグビー大会の地方予選が始まった。「人気の火を消したくない」。感染対策に悩みつつ、選手らはシーズン本番を迎える。

10月に入り、中部大春日丘高(愛知県春日井市)ラグビー部の練習は激しさを増した。感染の再拡大で夏合宿は中止に。9月中旬、およそ半年ぶりに対外試合ができた。実戦が少なくケガ人も目立つが、福田大晟主将(17)は「条件はどのチームも同じ。全国優勝を目指して一日一日を大切に練習する」と意気込む。

同校は7大会連続で花園に出場しており、W杯ベスト8進出に貢献した姫野和樹選手の母校でもある。宮地真監督は「あれだけ盛り上がったW杯。火を消さないよう、花園が無事に開催されることを願いたい」と語る。

全国大会は12月27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。100回の記念大会となり、例年よりも多い63校が出場する予定だ。日本ラグビー協会が高校生以下の大会を9月1日から実施できると決めたことを受け、各地で地方予選が始まっている。仮に新型コロナの影響で予選が中止になった場合、都道府県の組織が出場校を選ぶか、出場辞退となる。

激しいタックルや密集での攻防が醍醐味だけに、本格的な練習と感染対策をどう両立させるか悩むチームは多い。

前回大会ベスト8の強豪、京都成章高(京都市)は、コンタクトプレーの練習に用いる「タックルバッグ」を選手が入れ替わる度に消毒している。換気や互いの距離の確保が難しいウエートトレーニング室は使わず、屋外に器具を持ち出す。着替えの際は部員約120人を15人ほどのグループに分けて別の部屋を使うなど工夫を重ねる。

学校の方針で部活動は1日2時間ほどに制限されているが、辻野隼大主将(17)は「限られた環境や時間で、どうすれば効率良く練習できるか部員同士で考えるようになった」と前向きに捉える。湯浅泰正監督は「勝つためには厳しい練習が必要だが、生徒が感染したら元も子もない。感染が懸念されるときは練習を中止する勇気も持ちたい」と話す。

小中学生向けのラグビースクールはW杯で人気になった。千葉県柏市を拠点に活動する「柏ラグビースクール」は2019年4月時点で150人規模だった生徒数がW杯を受けて200人を超えた。現在も毎月4~5人が入会している。

6月から段階的に練習を再開しており、現在は学年でグループを分け、同じグラウンドにいる人数を60~80人ほどに絞っている。周囲は活動を再開したばかりのチームが多く、思い通りに練習試合を組めていない。スクール主務の石原康広さんは「コロナ下でラグビーへの興味が薄れることを懸念したが、今も志す子どもたちがいる。競技の魅力をもっとアピールし、盛り上がりを草の根で支えたい」と強調した。

■競技人口、3年ぶり増加
 日本ラグビー協会によると、国内の競技人口は1994年度の約16万7千人をピークに減少傾向が続いたが、W杯日本大会が開催された2019年度は約9万6700人で、3年ぶりに前年度を上回った。
 特にラグビースクールで競技を始めた小学生が多く、6~11歳のスクール選手数は2698人増えた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で地元のグラウンドや校庭が使えず、練習場所の確保に苦労しているチームも多い。
 協会の安井直史・普及育成部長は「W杯の波に乗りきれず残念だが、感染対策に気を配りながら子どもたちが楕円球を楽しめる機会を増やしたい」と話す。活動を支えるため、オンラインを活用したレフェリーやコーチの講習も今後充実させる考えだという。
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