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高潮浸水域、公表9都府県 予算や人員不足で備え遅れ

室戸台風(1934年)や伊勢湾台風(59年)など、最大級の高潮を想定した浸水想定区域を一部でも公表しているのは9都府県にとどまることが国土交通省の調査で分かった。予算や人員不足で対象となる海岸の選定などが遅れている。

 台風21号の影響による高潮で浸水し、誘導路などに水が残る関西空港(2018年9月)=共同

浸水想定は避難対策に欠かせない。温暖化による海面水位上昇や台風の強大化が進む中、早期の対応が求められる。

高潮は台風や発達した低気圧の接近に伴い、気圧が下がって海面が吸い上げられる効果と、強風で海水が岸に吹き寄せられる効果により、潮位が上昇する現象だ。干満の差が大きくなる「大潮」の満潮時間帯と重なると、海面がさらに上昇しやすくなる。

海岸堤防を越えると低地では一気に浸水が広がる。伊勢湾台風では名古屋市、三重県桑名市などで高潮が発生。死者・行方不明者は5千人以上、住宅15万戸超が全半壊、流失した。

2015年の改正水防法は、都道府県知事が「相当な損害」が生じる恐れのある海岸を選び、最大級の高潮を想定して浸水区域を指定、公表する仕組みを導入。区域図作製に関する国の手引によると、中心気圧は室戸台風、半径は伊勢湾台風を基本に想定する。

海に面する39都道府県のうち、今月15日時点で浸水区域を公表していたのは神奈川(東京湾)兵庫(大阪湾、播磨、淡路)愛媛(伊予灘、燧灘、豊後水道東)福岡(豊前豊後、有明海、玄界灘)など9都府県。公表済みの海岸が一部だけで、別の海岸についても検討を続けている自治体も含まれる。

国交省によると、愛知、岡山など13道県は区域指定に向けて検討に着手、佐賀、長崎両県は今後、検討を予定している。台風の大きさ、進路など条件設定が複雑で、浸水範囲の判断には時間がかかっているという。

残る15府県の一部は対策が必要な海岸があるかどうか調査中だったり、検討開始のめどが立っていなかったりした。過去に大きな高潮被害がなく、頻度の高い洪水対策などを優先している地域もあった。

国交省は地形の特徴や人口密集度を考慮し、特に大きな被害の恐れがある6海域の沿岸は優先して区域を公表するよう求めている。

〔共同〕

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