ナイジェリアで抗議デモに発砲、死者「12人以上」

2020/10/22 17:46
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【カイロ=久門武史】ナイジェリアの最大都市ラゴスで20日、警察に抗議するデモ参加者への発砲があった。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、軍と警察による発砲で少なくとも12人が死亡したと発表した。同国では若者を中心とした大規模デモが各地で続いている。

警官に抗議するデモに参加するナイジェリアの人々(21日、ラゴス)=AP

ラゴス州は20日、外出禁止措置を発動したが、21日も路上での抗議が続いた。ブハリ大統領は同日、冷静になるよう呼び掛ける声明を出した。発砲には直接言及しなかった。ナイジェリア軍は兵士が発砲したとの報道に対し「偽ニュース」だとツイッターに投稿した。

アムネスティは21日、8日からの国内各地の抗議デモで、少なくとも56人が死亡したと指摘した。ナイジェリアではこの2週間、警察の対強盗特殊部隊(SARS)への抗議をきっかけに大規模なデモが続いている。若者が同部隊に殺害された様子とされる動画がSNS(交流サイト)で出回り、若者を中心とするデモに発展した。

この部隊は拷問などで人権を侵害しているとの批判がかねてあった。政府は11日に解散を発表したが、抗議の声は収まっていない。大規模デモの背景には若者の間で鬱積する警察の強権姿勢への不満があるとみられ、混乱の長期化が懸念されている。

グテレス国連事務総長は21日、ナイジェリアの治安当局に状況の改善を求める声明を発表した。「事件を調査し、加害者の責任を問うべきだ」と呼びかけると同時に、SARSをめぐる問題にも言及し「残虐行為の停止を求める」と述べた。ラーブ英外相も「深刻な懸念」を表明し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は治安機関に自制を求める声明を出した。

ナイジェリアはアフリカで最も人口が多く、若年層の比率が高い。国際通貨基金(IMF)によると失業率は2018年に2割を超え、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で経済の急減速が避けられない。産油国のため、原油相場の低迷も逆風だ。貧困や政府への不満が、長引く抗議活動の素地となっている可能性がある。

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