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オリ・伏見、監督交代で正捕手の座へ リードも改善

2020/10/24 3:00
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サラリーマンが上司を選べないのと同じに、プロ野球選手は監督を選べない。相性による運不運が付きまとう。オリックス・伏見寅威捕手は、監督交代を機に日が当たった幸運な例だ。

控えが長かった伏見(右)は正捕手の座をものにしつつある=共同

控えが長かった伏見(右)は正捕手の座をものにしつつある=共同

8月20日、パ・リーグの最下位オリックスは西村徳文監督の辞任と、中嶋聡2軍監督の監督代行就任を決めた。翌21日、同代行は指揮初戦の西武戦で打率1割1分8厘の中川圭太を4番に据え、2軍から引き上げたばかりの大城滉二、杉本裕太郎も先発オーダーに加えた。

さらに衝撃的だったのは「主戦捕手らしくなった」と評判の若月健矢に代えて、ずっと控え捕手だった伏見を重用するようになったことだった。

21日の西武戦にフル出場させ、以後数試合は若月と交互の先発起用でテストした。その後、若月が独占状態だった捕手の座は、代行就任以降、7対3ほどの割合で伏見が逆転した。

中嶋監督代行は阪急など4球団で29年プレーした元捕手。コーチ兼任も長く、捕手を見る目は厳しい。伏見はその眼鏡にかなった。打撃がいい分、守りは見劣りするとされていたが、是正できると判断された。

伏見は2013年、東海大からドラフト3位で入団して8年目。アマ球界ナンバーワン捕手も5年間は1、2軍を往復した。いつの間にか話題は、東海大で巨人・菅野智之の相手役だったことと、ラガーマンの父親がつけた寅威(とらい)という珍しい名前に集中した。

西村前監督も伏見の打力は買っていた。指名打者で3、5番に据えたこともある。主砲・吉田正尚の打撃を最大限生かすのに、2人の打順を並べようとしていた。監督続投なら、伏見の一塁コンバートもあったか。

歴代の監督が捕手・伏見を評価しなかったのは、単調なリードが原因だった。オーソドックスな配球をどの投手と組んでも繰り返した。その点を中嶋監督代行にも指摘されたのだろう。投手とじっくり話し合い、配球に十分すぎるほど配慮した。9月16日の楽天戦で田嶋大樹のプロ初完封をリードした姿が新たな伏見を象徴するものだった。

昨年は6月18日のセ、パ交流の巨人戦で左足アキレス腱(けん)を断裂し、シーズンを棒に振った。そのときにも不運を嘆かず、他人を恨むこともなく、「必ず再起する」とリハビリに励んだ。

正捕手になると他球団も伏見のリードの傾向、癖を綿密に調べて対策を講じる。若月のたくましい反撃もある。安閑とはしておれない。チーム躍進と自分のために「トライ」しなければならないことはまだ多い。

(スポーツライター 浜田 昭八)

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