/

9月のノートパソコン61%増 GIGAスクール需要拡大

国内でのノートパソコンの出荷台数が急速に増加している。電子情報技術産業協会(JEITA)は22日、9月のノートパソコンの国内出荷台数が前年同月比61.2%増の133万4千台となったと発表した。背景にあるのは小中学校で1人1台の学習用端末を配備する「GIGAスクール構想」関連での地方自治体からの受注の本格化だ。ただ、急速に需要が立ち上がったことで、今後は部材の調達が滞る懸念もある。

GIGAスクール関連の需要が急速に立ち上がった

9月の全体の出荷台数は前年同月比25.7%増の144万9千台と4月以来、5カ月ぶりに前年実績を上回った。米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」のサポート終了による昨年の買い替え特需の反動から、デスクトップ型が同64.7%減と大幅に落ち込んだが、ノートパソコンの販売増加が補った。比較的価格の安いノートパソコンが売れたことから、出荷額は同14.5%減の875億円となった。

4~9月では前年同期比1.8%減の495万2千台となった。8月から9月にかけてノートパソコンの出荷が増えたものの、デスクトップ型の落ち込みを補えなかった。出荷額も同11.4%減の4134億円と前年実績を下回った。

出荷台数が急増した背景にあるのが、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」だ。同省は全国の小中学校への教育端末の配備を2021年3月末までに前倒しする計画を発表。地方自治体が対応を急いだことが出荷台数の急増につながった。

「まだ氷山の一角にすぎない」。調査会社MM総研(東京・港)の中村成希執行役員は9月のノートパソコンの出荷台数をこう分析する。同社によると、GIGAスクール関連の需要が下支えし、20年のノートパソコンの出荷台数は過去最高の1196万5千台に達する見通しで、今後も出荷台数の増加が見込まれる。

一方、政府の後押しによる急速な需要の拡大で、パソコン向けの部材調達にひずみも出始めている。特に不足が懸念されるのがパソコンのディスプレーに使われる液晶パネルだ。

「足元の液晶パネルの在庫が不足している。各社が取り合っている状況だ」。ある業界関係者は急速なパソコン需要の高まりに危機感を募らせる。在宅時間の増加による「巣ごもり需要」でテレビの販売も好調に推移していることもあり、液晶パネルの需給は逼迫しているのが現状だ。

パネル需要を巡っては「全世界で力強い。しばらくこの勢いは続くだろう」(米調査会社DSCCの田村喜男アジア代表)との見方もあり、今後も逼迫した状況が続くとみられる。ようやく動き始めたGIGAスクール構想だが、サプライチェーン(供給網)の混乱で足をすくわれる可能性もある。(菅野気宇)

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン