
民主主義、再生の道は 岩間陽子氏と室橋祐貴氏が対論
パクスなき世界 自由のパラドックス
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世界で綻びや衰えが目立つ民主主義。人類が培ってきた知恵を未来に向けてどう再生するか。政策研究大学院大学の岩間陽子教授と日本若者協議会の室橋祐貴代表理事に意見をぶつけてもらった。
岩間氏「製造業の時代に適した制度」
室橋氏「判断軸養う議論の場を」
――20世紀の終わりに東西冷戦が終わり、民主主義が勝利したはずでした。最近は衰退が目立ちます。
岩間 冷戦の終結後も統一ドイツは失業者が大量発生する時代が続いた。欧米はイスラム圏などからの移民の流入も増え、ポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭する要因となった。民主主義が大丈夫だとの感覚を持ったことはない。
民主主義は製造業の時代に最も適していた。工場で働く労働者が大勢いて、

新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。