コロナ下で芸妓お披露目 5カ月遅れ、大阪ミナミ

2020/10/22 10:24
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 踊りを披露するいち鶴さん(左)と三味線を弾くおり鶴さん(大阪市の「たに川」)=共同

踊りを披露するいち鶴さん(左)と三味線を弾くおり鶴さん(大阪市の「たに川」)=共同

大阪市の繁華街・ミナミで唯一営業するお茶屋「たに川」で今月、新人芸妓2人のお披露目が行われた。新型コロナウイルス禍で店が一時休業状態となり、予定より約5カ月遅れての門出となったが、「しっかり稽古していきたい」とお座敷文化を受け継ぐ決意を見せている。

ミナミはかつて国内有数の花街で、戦前の最盛期には約2千人の芸妓を擁したが、時代の変化とともに衰退し、現在は数人のみに。さらにコロナ禍のため同店では2月下旬から宴会のキャンセルが相次ぎ、3~5月は休業状態に追い込まれた。

6月から徐々に営業を再開。芸妓はマスクの代わりに口元を扇子で隠すなど、お茶屋ならではの感染防止策を講じ、5月から延期されていたお披露目も10月に実現した。

新人の一人で、踊りを披露する立方のいち鶴さん(23)は京都の老舗旅館で仲居として働く中で花街文化に憧れを抱き「生まれ育ちが大阪なので」と昨年10月から、たに川で稽古を始めた。「お披露目は延びたが、ここまで来られてよかった。着物での踊りはまだ慣れないが、体に染みつくように稽古する」と話す。

唄や三味線を担当する地方のおり鶴さん(48)も「お茶やお花をたしなむなど、教養が高いお客さんときちんと話ができるように、いろんなことに興味を持ってやっていきたい」と語る。

個人の客は戻っても、企業関係の利用がなかなか戻らないなど、苦しい状況は続く。たに川主人の谷川恵さん(46)は「お茶屋は洗練された日本文化を味わえる場所。それがない大阪にはなってほしくない」と、改めて伝統を守り続ける意欲を示した。〔共同〕

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