/

米経済「産業でばらつき」、米地区連銀経済報告

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が21日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、「産業の回復ペースに大きなばらつきがある」と指摘した。住宅市場が好調だった一方、観光業は低迷が続き、商業不動産も不振だった。

米地区連銀報告は、住宅市場は力強く伸びたが、産業によって回復ペースにばらつきがあるとした(米カリフォルニア州の住宅建設現場)=ロイター

8月末以降、米経済の拡大は「わずかだった」と総括し、企業は「先行きに強い不透明感を持っている」と指摘した。

米経済は、コロナ危機後に持ち直してきたが、足元でペースが鈍化している。コロナ感染の再拡大による景気底割れの懸念もあり、FRBは財政出動の必要性を主張している。

報告によると、製造業が全般に緩やかに回復したほか、住宅市場は力強い需要が続いた。一方、個人消費は一部地区が横ばいを報告。観光業の回復はわずかで、商業不動産は悪化が続いた。

個人消費は自動車や家具、自宅改装用品などの売り上げが伸び、緩やかな回復が続いたが、アトランタ地区やミネアポリス地区では横ばいだった。

クリーブランド地区は「低金利の影響を強く受ける住宅や車が力強く伸びた一方、宿泊や飲食など人との接触の多いサービス分野への支出は依然弱い」と指摘した。リッチモンド地区は、ホテルは長期的に持続不可能な低料金・高空室率で営業しており、レストランも一部はすでに廃業したと報告した。

住宅市場は、低い住宅ローン金利と都市から郊外への移住需要増に対し、物件が不足していることから価格が高騰。ボストン地区では一戸建て住宅の販売価格の中央値の伸びが2桁に達した。一方、商業不動産は、ショッピングモールなどで家賃不払いや空きスペースが増えており、今後の滞納率上昇を懸念する銀行が相次いだとした。

企業の景気見通しは「おおむね明るい」としたものの、フィラデルフィア地区は、コロナ感染の拡大、解雇増、追加景気対策の行方、対立的な政治情勢などをあげて「極度の不透明さ」を懸念する声が圧倒的だったとした。

雇用はほぼ全地区で増えたが、ペースは鈍く、新たな解雇や一時帰休も続いた。一方で感染や育児への懸念から職場復帰に慎重な人が増えて人手不足が起きており、労働市場は逼迫しているとの指摘もあった。

物価上昇は緩やかだったが、食品、自動車、電化製品などは大きく上昇した。

同報告は、10月9日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が経済動向をまとめたもので、11月4~5日に開く次回米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料になる。

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン