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タイ首相「非常事態解除準備」 デモ隊、首相辞任要求

(更新)

【バンコク=村松洋兵】タイのプラユット首相は21日にテレビ演説し、首都バンコクで集会を禁じる非常事態宣言について「解除を準備している」と述べた。反体制デモ隊が求める、非常事態宣言の解除へ譲歩する姿勢をみせ、デモの沈静化を促した。デモ隊は反発を緩めず21日も集会を行い、プラユット氏に3日以内の辞任を要求した。

タイのプラユット首相(写真は9月22日、バンコク)=ロイター

学生らを中心とするデモ隊はバンコクの複数の場所で集会を開き、首相府に向かって行進した。警備する治安当局と一部で小競り合いがあった。デモ隊は首相府前でプラユット氏の辞任を促す要求書を政府側に提出して集会を解散した。

テレビ演説でプラユット氏は非常事態宣言を解除する条件として「暴力的な事件がないこと」を挙げた。14日から続くデモで治安当局とデモ隊の衝突が起きており、平和的な行動を求めた。

政府は15日にバンコクを対象に反体制デモを抑制するための非常事態宣言を出した。「5人以上の集会」や「デモを扇動する情報の流布」を禁じ、違反者を逮捕できるようにした。デモ隊は同宣言の解除と逮捕者の釈放を求めていた。

プラユット氏は「議会を通じた話し合いが唯一の解決策だ」と話した。26、27の両日に休会中の国会を臨時招集して、デモの対応策を協議する予定だ。デモ隊の要求の一つである憲法改正についても議論する見込みだ。

反体制デモは7月以降に活発になった。当初は「軍政の流れをくむ政権の退陣」と「政権の権力維持を可能にしている憲法の改正」を主張していたが、8月ごろから「王室の改革」を要求に加えた。王室と国軍の関わりの深さを問題視し、ワチラロンコン国王の権限縮小を求めている。

王室は絶対的な存在であり、国民が王室のあり方を議論するのはタブーとされてきた。10月14日の集会でスティダー王妃が乗った車列をデモ隊が妨害する事態が起きたこともあり、政府は非常事態宣言を出してデモ隊への締め付けを強めた。

16日の集会ではバンコク中心部の交差点に集まったデモ隊を、治安当局が放水車を使って強制排除した。デモ隊は政府の強硬姿勢に反発し、複数の場所でゲリラ的に集会を開く戦術に切り替え、抗議活動を続けている。

17、18日の集会はバンコクの複数の場所で開かれ、デモの参加者が計2万人を超えた。バンコクだけでなく地方にも集会が広がり、反体制運動が収束する兆しが見えていない。今回の政府側の譲歩でデモが沈静化するかどうかは不透明だ。

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