三陸鉄道、経常赤字最大の6億円予想 21年3月期単独
岩手県沿岸を縦断する第三セクター、三陸鉄道(宮古市)は21日、2021年3月期の単独経常損益が6億1646万円の赤字になる見通しだと発表した。新型コロナウイルスの流行による利用客の減少が響いたためで、同社が開業した1984年度以来で最大の赤字となる。

ただ、特別利益として県や沿線市町村からの運行支援金(1億9000万円)などの補助金を計上する。このため、最終損益では3959万円の赤字となり、損失が大幅に減少する。最終赤字は2期ぶり。
運賃収入はコロナ禍の影響で団体客でキャンセルが相次いだほか、少子化による学校の生徒数減少などにより、前期比48.0%減。運賃以外の収入を合わせた経常収益でも45.2%減の3億7444万円となる。
一方で人件費を8.1%減と抑制するなど経費削減を進め、経常費用も9.0%減の9億9090万円に抑える。
それでも経常収益の大幅な落ち込みが響き、経常赤字は台風19号の被害などで支出が増えた前期(4億348万円)を上回り過去最大となるという。
また三鉄は21日、コロナ禍による団体客のキャンセルが4~8月に1241件(4万9175人)、金額で4175万円分に上ったことも発表。月別では6月が345件と最多で、次いで5月(319件)、7月(260件)などの順だった。
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