銀行の人材やシステム、地方創生に活用 規制緩和
金融審

金融庁は21日、金融審議会の「銀行制度等ワーキング・グループ」で、銀行本体の人材やシステムを関連事業で活用しやすくするよう規制を見直す案を示した。地方創生につながる分野が対象で、銀行が開発したソフトウエアの外販や、営業職員による高齢者向けサービスなどを想定する。規制緩和で銀行の収益力向上にもつなげる。
銀行法や監督指針では銀行本体の業務として預金や融資のほか、有価証券の売買やコンサルティング、人材紹介などを認めている。銀行が保有する人材やシステムといった資産を活用する業務については触れていなかったが、金融庁は関連業務として追加する。
銀行のために開発したソフトを地方の取引先企業に提供し、デジタル化を促すビジネスなどを見込む。人材活用では営業活動の際に高齢者の見守りサービスを展開するケースなどが考えられる。地方活性化につながるならば対象を柔軟に広げられる設計を検討する。銀行の子会社が地域の高度人材を派遣する業務も解禁する考えだ。
銀行が海外ビジネスを拡大している現状を踏まえ、海外子会社に対する規制も見直す。銀行が買収した海外の金融機関の子会社が日本で認められていない業務を営む場合、規制の猶予期間を現在の5年間から10年間に延長する案を示した。
米アマゾン・ドット・コムなど巨大プラットフォーマーが銀行業に参入する際は審査を厳しくする方向だ。銀行を使って親会社に優位な取引などをしないよう歯止めをかける。業務範囲に厳格な制限のある既存の銀行グループと競争条件をそろえる狙いだ。
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