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米銀行、証券業務や資産管理フィンテックに熱い視線

CBINSIGHTS
フィンテック企業への投資が回復している。米調査会社CBインサイツによると世界のフィンテック企業の資金調達は2020年4~6月期に93億ドルとなり、前四半期比で17%増えた。米銀行も証券業務など資本市場関連のフィンテック企業に資金を投入し、戦略的な提携などを狙っている。過去10年の変遷を投資先の事業内容別に探った。

新たなテクノロジーの登場や消費者ニーズの変化を受けて、銀行が重視する戦略分野は移り変わっている。米国の銀行はここ数年、高いリターンや戦略的提携を狙ってフィンテック企業への投資件数を増やしている。18年以降は証券発行業務の強化や代替、売買、清算、運営を手掛ける企業を含む「資本市場」カテゴリーへの投資件数が最も多くなっている。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

15年にピークに達した「ブロックチェーン」などへの投資活動はここ数年、下火になっている。今回のリポートでは米大手銀がこの10年間、フィンテックのどの分野に投資を集中させてきたかをヒートマップで表す。

米国の銀行とは「米国に本店を置く規制の対象となっている銀行」と定義する。10年以降に実施された未上場のフィンテック企業へのエクイティ投資(株式取得・引き受けを伴う投資)だけを分析対象とした。カテゴリーは重複している場合がある。主な業務に基づいて、フィンテック企業を各カテゴリーに振り分けた。

ヒートマップ:大手銀によるフィンテック投資の変遷 (10年~20年8月27日の米銀による年ごとのフィンテックスタートアップへの投資件数、カテゴリー別)

主なポイント

・10年以降の米銀による「資本市場」への投資は85件以上と飛び抜けて多い。このカテゴリーで最大の資金調達ラウンドはエクイティ管理の米カルタ(Carta)が19年5月に実施したシリーズE(調達額3億ドル)だった。米ゴールドマン・サックスなどが参加した。

・米銀による投資件数が2番目に多いのは「資産管理」だった。個人資産管理やロボットアドバイザー、ウェルスマネジメント、アナリティクスのツールやプラットフォームを手掛ける企業が含まれる。このカテゴリーへの投資は18年以降、勢いを増している。

・「決済」はこの10年間ずっと投資を引き付けている。今年に入り米フライワイヤー(Flywire)のシリーズE(調達額2億6300万ドル、ゴールドマン・サックスが参加)や、英ピープロ(PPRO)のグロースエクイティラウンド(1億ドル、米シティ・ベンチャーズが参加)など、1回の調達額が1億ドル以上のメガラウンドが続いている。

・米銀は15年には「ブロックチェーン&暗号資産」に大きく注目しており、このカテゴリーへの投資件数は同年だけで13件に上った。だが、その後は関心が薄れ、20年は8月27日時点で1件にとどまっている。

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