早まる首都圏の終電 八王子30分・千葉23分・川越13分

JR東日本が21日発表した2021年春の新ダイヤ案では、首都圏の多くの路線で終電が繰り上がる。中央線と京葉線は最大30分程度、総武線で千葉駅まで行く場合は23分程度早まる。東海道線は平塚駅までならほぼ現行どおりの予定。午前1時以降に運行中の電車がほぼなくなる見通しだ。
中央線で八王子に停車する最終電車は30分程度繰り上がり、東京発が午後11時45分ごろ、新宿発が午前0時ごろ、八王子到着が同0時45分ごろとなる。千葉県方面も繰り上げの影響が大きい路線が多く、京葉線で蘇我駅まで行く場合は30分程度、総武線で千葉駅までは23分程度早まる。
東海道線(平塚駅まで)のほか、高崎線の籠原駅まで、宇都宮線の小金井駅まではほぼ現行どおりの予定だ。比較的終電時刻が早かった路線は「ほぼ現行どおり」(市川東太郎常務執行役員)という。同社は東京から100キロ圏内の路線を対象に検討していたが、内房線や八高線といった12の郊外路線はもともと終電時刻が早いこともあり、見直し対象とならなかった。

新型コロナの影響で深夜帯の利用者は大きく落ち込んでいる。ダイヤ見直し対象となった路線で、9月平日の終電付近の利用者は1日平均約2万人だという。同社は終電繰り上げに伴う混雑対策として、一部の路線で深夜帯に各1本程度増発する方針だ。
同社は今回のダイヤ改正案を私鉄各社にも伝え、深夜帯の接続などを調整する。私鉄からの要望によっては繰り上げ時間が多少変更する可能性もあるという。
終電繰り上げによる鉄道以外の交通機関は利用者が少ないこともあり、今のところ影響は限られそうだ。
終電後の帰宅用に新橋から成田空港や京成佐倉駅方面に深夜バスを運行していた、ちばグリーンバス(千葉県佐倉市)はコロナの影響で需要が減り、3月末から運休中。「再開のメドが立たない状況のため、終電繰り上げの対応について検討する状況にない」と話す。タクシー大手の日本交通も「タクシー需要が増えるかは予想がつかない」としている。
(依田翼)