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出生数、コロナで減少懸念 妊娠届1~7月5.1%減

新型コロナウイルス感染症の影響で出生数が減る懸念が高まっている。厚生労働省が21日発表した集計によると、自治体が1~7月に受理した妊娠届の件数は51万3850件となり、前年同期に比べて5.1%減った。雇用情勢の悪化などで結婚・出産を控える人が増えている可能性がある。コロナによって日本の人口減少に拍車がかかる恐れが出てきた。

厚労省によると、1~7月の妊娠届の累計件数は前年同期に比べて約2万8千件減った。特に5月(17.1%減)、6月(5.4%減)、7月(10.9%減)の減少幅が大きかった。5~7月の累計では11.4%減の大幅な減少だった。

妊娠した人は母子保健法に基づいて自治体に届け出る必要がある。9割以上の人が妊娠11週以内に提出している。今年の前半に妊娠した人は今年末から来年前半にかけて出産を迎える人が多いとみられる。

妊娠届の減少にはいくつかの要因が考えられる。春先以降、新型コロナの感染が拡大するにつれ、外出自粛で里帰りが難しくなるなど出産を取り巻く環境が大きく変わった。医療機関がコロナ対応に追われる状況のなか、院内感染への警戒も広がった。安心して出産できないと考え、子供を持つことを先送りする動きが出たとみられる。

さらに企業活動が打撃を受けたことで雇用情勢が悪化。パートタイム労働者ら非正規雇用には雇い止めが広がった。将来への不安を募らせ、出産を見送る人も増えた可能性がある。

厚労省の担当者は「外出自粛で役所に届け出に行くのを控えている人もいるのではないか」と話しており、これから提出される妊娠届がある可能性もある。

日本の人口は少子高齢化で11年連続で減少している。2019年の出生数は86万人と統計開始後初めて90万人を割り込んだ。今後も出産を控える動きが続けば、来年の出生数が70万人台まで落ち込むシナリオも現実味がでてくる。

世界をみると、過去の経済危機時に出産の減少が目立つ。米ブルッキングス研究所によると、08年のリーマン・ショック後の景気低迷によって米国の出生数は約40万人減った。同研究所は新型コロナ禍による雇用不安を主因に、21年の米国の出生数が1割ほど減少すると予測する。

出生数の減少は日本の社会保障制度の担い手が少なくなることを意味する。コロナ禍で人口減少のペースが加速すれば、年金や医療などの制度の持続可能性が揺さぶられる。

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