米司法省、Appleとの契約「反競争的」 Google提訴で

2020/10/21 10:52
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米司法省は米グーグルのスマートフォンにおける影響力の大きさを問題視している(カリフォルニア州マウンテンビュー市の同社本社)

米司法省は米グーグルのスマートフォンにおける影響力の大きさを問題視している(カリフォルニア州マウンテンビュー市の同社本社)

【シリコンバレー=奥平和行】米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで米グーグルを提訴した問題で、スマートフォン市場における同社の影響力の高さが争点として浮上してきた。20日の訴状で司法省は米アップルなどとの契約を問題視する一方、グーグルはスマホの基本ソフト(OS)を無償で提供して消費者の利益につながっていると主張した。

司法省は20日、首都ワシントンの連邦地裁でグーグルを提訴した。テキサスなど11州の司法長官と共同で提出した訴状で、インターネット検索の約60%がスマホなどのモバイル機器経由となり、この分野におけるグーグルの影響力の強さが競争を妨げていると主張した。

具体的には米国のスマホ市場で約6割のシェアを握るアップルに年間最大120億ドル(約1兆3000億円)を支払い、グーグルのインターネット検索サービスを標準としていることが反競争的と指摘した。アップルの幹部社員がグーグル社員に宛てた「両社があたかも一体であるかのように考えている」などと記した文書などを不適切な行為の証拠として挙げた。

グーグルがスマホメーカーに無償で提供しているOS「アンドロイド」の事業モデルも問題としている。グーグルは従来は有償だったOSを無料で提供する代わりに、グーグルの検索サービスなどを組み込むことを求めている。この結果、司法省などは米国のスマホ市場のほぼ全部がグーグルのサービスへの「入り口」になっていると認識しているようだ。

一方、グーグルの最高法務責任者(CLO)を務めるケント・ウオーカー上級副社長は同日、公式ブログを通じて反論した。「消費者は強制されたり、代替が見つからないから(当社のサービスを)使ったりしているわけではない」などと述べ、司法省などの主張が受け入れられないとの姿勢を鮮明にした。

アップルなどと結んでいる契約について、ウオーカー氏は販売促進を目的とした通常のビジネスの一環であると述べ、他社も同じ取り組みが可能と説明した。実際、かつて米ヤフーがブラウザー(ネット閲覧ソフト)の「ファイヤーフォックス」を提供する米モジラ財団と同様の契約を結んだ例を示した。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)のインタビュー記事を引用し、同社は「最良」と判断してグーグルの検索サービスを使いやすくしていると指摘した。高いシェアを獲得したのは独占が理由ではなく、サービスの使い勝手を高めた結果との主張を繰り返した。

また、OSを無償で提供することにより「スマホ(のコストが下がって)価格が安くなった」と説明し、消費者の利益になっていると訴えた。無償提供と引き換えに一定の条件を課しているが、グーグルの競合サービスを搭載することも可能としている。

グーグルの親会社、米アルファベットの売上高は2020年12月期に1720億ドル(約18兆1000億円、アナリスト予想)まで増え、10年前の6倍近くになる見通しだ。ウオーカー氏は「当社の成功が精査の対象となるのは自然なことだ」とする一方、主張を貫くつもりだと強調し、自社の主張が認められることに自信を示した。

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