米、ファーウェイ排除へブラジルに10億ドル融資枠

2020/10/21 6:18
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【サンパウロ=外山尚之】米国政府は20日、政府系金融機関を通じ、ブラジルへの投資に10億ドル(約1050億円)の融資枠を設定したと発表した。トランプ米政権はブラジル政府に対し、次世代通信規格「5G」から中国の華為技術(ファーウェイ)の排除を求めており、後方支援する狙いとみられる。

オブライエン米大統領補佐官(右)と握手するブラジルのボルソナロ大統領(20日、ブラジリア)=ブラジル政府提供

政府系の米国輸出入銀行とブラジル政府が20日、合意文書を交わした。通信やエネルギー、インフラ整備などを促進するとしているが、最大の狙いはファーウェイの締め出しだ。同社の競合である、フィンランドのノキアやスウェーデンのエリクソンの基地局購入への融資が目的だと、ブラジルメディアは報じる。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は19日、ブラジルの経済団体とのテレビ会議に出席し、「ファーウェイを5Gに採用したら、(情報を抜き取る)バックドアを仕掛けられ、政府や企業のすべてのデータが解読される」と主張した。

米ブルームバーグは15日、ブラジル政府高官の話として、ボルソナロ大統領が5Gからファーウェイを排除することを検討していると報じた。親米でトランプ氏とも親しいボルソナロ氏は中国警戒論を公言していた。

しかし中国はブラジルにとって最大の輸出先であり、ファーウェイ排除で関係が悪化すれば経済への悪影響は避けられない。ブラジルの既存の4G通信網の多くがファーウェイ製の機器で占められている中、大手紙フォリャ紙は今回の米国の融資について「関心は低い」というブラジル通信業界関係者の声を伝えている。

在ブラジルの中国大使館は20日、ツイッターに「ファーウェイはバックドアの設置を禁じる合意への署名を望んでいる」と投稿し、米国に強く反発。「米国政府は長い間、他国に対し盗聴や監視をしかけてきた」とも書き込み、米国を当てこすった。

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