Netflix、最高益も会員増220万人に鈍化 コロナ消費一服

2020/10/21 5:53 (2020/10/21 8:38更新)
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韓国ドラマ「愛の不時着」が人気を集めた

韓国ドラマ「愛の不時着」が人気を集めた

【シリコンバレー=佐藤浩実】米ネットフリックスが20日発表した2020年7~9月期の売上高は前年同期比23%増の64億3563万ドル(約6800億円)だった。純利益は同19%増の7億8997万ドルで、ともに過去最高を更新した。ただ会員数の伸びは前の四半期比で220万人(1%)にとどまり、新型コロナウイルス下の急拡大が一服したことが鮮明になった。

ネットフリックスは広告のない動画配信サービスを手掛け、会員が毎月払う利用料が収益の基盤となる。9月末の有料会員数は1億9515万人。1人あたり月13.4ドルを払っている米国とカナダの会員が全体の4割近くを占めるが、日本の利用者も8月末に500万人を超えた。

7~9月期はコロナからの「経済再開」が新規加入や解約にどう影響するかが焦点だった。6月末と比べると会員の純増数は220万人。1~3月の1577万人、4~6月の1009万人と比べて増加のペースは大幅に鈍った。ネットフリックスの事前予想(250万人)も下回った。

夏場にかけて飲食店やオフィスの再開を進めた国・地域は多く「巣ごもり」をやめて出歩く人が増えたのが鈍化の要因だ。米国でのスポーツ中継の再開も影響した。株式市場の期待に届かず、20日の米市場の時間外取引でネットフリックスの株価は約6%下げて推移している。ただ、スペンサー・ニューマン最高財務責任者(CFO)は「自然な減速であり、1~9月では2800万人以上増えている」と強調した。

地域別では主要地域すべてで純増を維持した。寄与度が大きかったのはアジア太平洋(APAC)で、9月末時点の会員数は2350万人と3カ月前と比べて101万人増えた。特に日本と韓国での伸びが目立ったという。米国・カナダ(UCAN)や欧州・中東・アフリカ(EMEA)はそれぞれ数十万人の増加にとどまった。

ネットフリックスは10~12月期に600万人の純増を見込んでおり、20年末までに会員数は2億人の大台を超える見通しだ。パリの広告代理店で働く米国人女性を描いたドラマ「エミリー、パリへ行く」が米欧で人気を博すほか、韓国ドラマ「愛の不時着」が日本でブームになるなど地域をまたいで話題になる作品が増えているという。

制作活動の再開に伴い、10~12月期のフリーキャッシュフロー(FCF)は4四半期ぶりのマイナスに転じる見通しだ。売上高は前年同期比20%増の65億7200万ドル、純利益は6億1500万ドルを見込む。ただ米欧ではコロナ感染の「第3波」が起きており、先行きには不透明な部分も多い。

動画配信サービスをめぐっては、ネットフリックスと競合するメディア企業も配信事業への傾斜を強めている。米ウォルト・ディズニーは12日の組織再編で、テレビや映画向けに作ったコンテンツを動画配信サービスに振り向けやすい体制に改めた。米バイアコムCBSも20日、配信強化のための人事異動を公表した。

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