首都圏新築マンション4~9月発売、初の1万戸割れ

新型コロナ
住建・不動産
2020/10/20 18:57
保存
共有
印刷
その他

不動産経済研究所が20日発表した4~9月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンション発売は前年期比26.2%減の8851戸だった。新型コロナウイルスで営業が止まり、調査開始から初めて1万戸を割り込んだ。

20年上期のマンション販売はコロナの影響が鮮明だった

4~9月期の戸数はバブル後の1992年(1万357戸)を下回り、過去最低となった。それでも不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「積極的な購入が続いている」と直近の状況を分析する。9月だけをみれば2477戸と、前年実績を上回ったからだ。

東京都豊島区の注目物件を中心に、9月は3物件の167戸が即日完売した。地域別の発売戸数では千葉県が前年同月の4倍強に拡大し、神奈川県とともに全体を押し上げた。消費者の購入割合を示す契約率も73.4%と、好不調の目安である70%を超えている。

購入の主役は新型コロナで在宅勤務が増え、広い物件に住みたいと考えるようになったファミリー層だ。在宅勤務の環境を整えるため可能な限り早く引っ越したい人の中には「完成在庫」を探す動きも出始めている。

「夫婦が共に在宅勤務でストレスを感じていた」。東京建物の「ブリリアシティ三鷹」(東京・練馬)の購入者は、こう話した。JR三鷹駅からバスと徒歩の組み合わせで10分以上かかるが2019年8月末に完成しており、すぐ入居できる点やテレワーク可能な広さが魅力的だったという。

「ブリリアシティ三鷹」は3~4LDKで71~90平方メートルの部屋を4千万~6千万円台で販売している。埼玉県八潮市や東京都江東区の物件にも問い合わせが増えており「都心・駅近」が絶対の条件ではなくなっている。

三菱地所レジデンスでも今夏から「完成在庫」の反応が増えた。その1つが「ザ・パークハウス青葉台二丁目」(横浜市)で6月の完成後、売れ残っていた70~80平方メートルの一部物件に問い合わせが集まった。東京都内から移る人もいたという。担当者は「以前のマンションが手狭に感じた家族のほか、金利の安い段階で購入しようと決めた人もいた」と説明する。

中古マンションは人気だ。東京カンテイ(東京・品川)によれば都内での中古の平均希望売り出し価格(8月、70平方メートル換算)は前年同月を2.5%上回る5154万円だった。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)がまとめた首都圏の在庫件数は9月まで10カ月連続で前年を下回る。中古物件情報サービスのハウスマート(同・中央)もファミリー層からの反応が良くなっている。不動産助言会社トータルブレイン(同・港)の杉原禎之副社長は「新型コロナで自宅に不満を持つ人が予想以上にいることがわかった」と指摘する。

(原欣宏)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]