鴻海・郭氏、米工場の投資撤回に反論 大統領選を意識

中国・台湾
アジアBiz
2020/10/20 18:26
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【台北=中村裕】鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏は19日(米国時間)、同社が米ウィスコンシン州で予定していた1兆円規模の大型投資計画が撤回されたとの相次ぐ報道を受け、異例の個人名で声明を発表した。郭氏は声明で反論し、同州が「今後も鴻海を支持するなら、投資の継続を約束する」と訴えた。

郭台銘(テリー・ゴウ)氏は、トランプ米大統領との関係を重視してきた=ロイター

鴻海とウィスコンシン州は以前から投資を巡り問題が生じていた。鴻海はもともと2017年、就任間もないトランプ大統領から提案を受け、同州に100億ドル(1兆円強)を投じて液晶パネルの新工場を建設すると発表した。18年の起工式でも、1万数千人の雇用を生み出すと強調していた。

しかし実際には大型液晶の新工場は建設されず、計画は何度も見直された。結局、現在はごく小規模な投資で雇用も数百人程度にとどまっていることが問題になっている。

これに対し、郭氏は声明で反論し「鴻海は過去3年間に既にウィスコンシン州に約7億5000万ドルを投資し、多くの利益を地元に生み出した」と強調した。さらに同州からの協力が得られるなら「今後もトランプ大統領、地元と協力して新しい投資を呼び込むように努力する」と条件付きで、投資をアピールした。

ウィスコンシン州は、2週間後に控えた大統領選の注目の激戦州として知られる。投資は「票」に結びつく。郭氏はトランプ氏に近い関係にあり、異例の個人名による声明で同州への投資をアピールし、トランプ氏の援護射撃を図りたい狙いもあったとみられる。前回の大統領選ではトランプ氏は劣勢のウィスコンシン州などで逆転勝利を収め、大統領に選ばれた。

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