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ブロックチェーン、コンテンツ管理に活用探る

アイサム&トランザム

人工知能(AI)と交通・移動技術をテーマに日本経済新聞社が主催するグローバルイベント「アイサム(AI/SUM)&トランザム(TRAN/SUM)」は20日、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使ったアニメやマンガの流通管理を議論するセッションを開いた。個人がコンテンツの作り手になる時代を、ブロックチェーンがインフラとして支える可能性を探った。

エイベックス子会社のエイベックス・テクノロジーズ(東京・港)は、投稿者がアバター姿で動画配信する際、生じた収益をアバターやBGMの楽曲の制作者にも配分する仕組みを紹介した。岩永朝陽代表は「ブロックチェーンなら細かな権利も管理でき、若手の個人クリエイターの支援にもつながる」と話した。

ブロックチェーン企業もコンテンツ分野に商機を探る。ビットフライヤーブロックチェーン(東京・港)は、日本のアニメをファンが英語に翻訳するとトークン「HON」を付与する。TART(東京・品川)は電子書籍を読んだことをブロックチェーンで記録して、中古市場に出品する実証実験を2月まで実施した。

こうした実験から課題も浮かび上がった。ビットフライヤーブロックチェーンの加納裕三代表は「技術面の課題はないが、単なる翻訳サービスでは対価が安くなってしまう。トークンを上場させるべきかも課題だ」と語った。TARTの高瀬俊明代表は「暗号資産の印象からブロックチェーン技術に不安を感じる出版社もあり、丁寧な説明が必要だ」と指摘した。

ブロックチェーン上の取引で不具合が生じた場合の扱いや、二次創作の著作権をどう管理するかといった問題は法整備も途上だ。本格活用へは課題が残るが、「関係者が多く契約が複雑な著作権管理にブロックチェーンは有用」(加納氏)との期待は大きい。今後もコンテンツやエンターテインメント企業がブロックチェーン技術を試す動きが続きそうだ。

(山田遼太郎)

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