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父に師事、地道に積み上げ フィギュア鍵山優真(上)

昨シーズンは13もの大会に出場した。ジュニア最後の年に挑んだハードスケジュールの日々を、男子フィギュアスケートの鍵山優真(17、星槎国際高横浜)は「いろんな経験ができてよかった」とポジティブに振り返る。ジュニアグランプリシリーズ第1戦優勝、全日本選手権3位……。戦いを楽しみ、好成績を積み上げ成長していくさまはシニア顔負けの頼もしさだった。

今季から本格的にシニアの舞台に挑む鍵山は「怖がらずにどんどん挑戦する」と意気込む

中でも今季につながる姿を見せたのが、2月の四大陸選手権だ。ショートプログラム(SP)は5位とやや出遅れたものの、フリー(FS)では4回転ジャンプで多くの加点を引き出した。初めてのシニアの国際大会ながら3位表彰台。「シーズンで一番出来が良かったんじゃないかと思う。怖がらずやることができて自分に自信がついたし、シニアでも戦えるんだなと実感した」

ジャンプの着氷の美しさや正確なスピン、リズミカルなダンス。鍵山はその総合力の高さから、羽生結弦や宇野昌磨ら群雄割拠の日本男子フィギュアスケート界で、次世代のスター候補として注目を集めている。ただ、脚光を浴びるようになったのはこの2年ほど。小学生の頃は全国大会の表彰台には縁のない、あまり目立たない選手だった。

2016年夏から指導する振付師の佐藤操は「ごくごく普通の子。のんびりしていて、自分のペースで滑っていた」と当時の様子を語る。教わった振り付けを次の日に忘れてくることもしばしば。「覚えがものすごく遅くて、頭から湯気が出ているような困った顔をしていたこともあった」

一方で、昔も今も練習姿勢は「とにかく真面目」と佐藤。タイトなスケジュールの中でも決まった本数のジャンプを必ず跳びきるなどして自分を追い込み、一つの課題を完璧にクリアしてから次の課題に取り組んだ。その姿は父であり、5歳から師と仰ぐ鍵山正和から受け継がれたものでもある。

1992年アルベールビル五輪、94年リレハンメル五輪に出場した正和は息子の「急成長」という評価を否定する。「地道に積み上げた結果がやっと出た」。体づくりや基礎技術に何よりも時間をかけてきたからこそ、この2年でトリプルアクセル(3回転半)、2種類の4回転ジャンプを習得できたといえる。父のプラン通りに歩を進め、鍵山は大きく羽ばたいた。

本格的にシニアの舞台に挑むことになる今季のテーマは「挑戦」だ。「何も怖がらずにどんどん挑戦し、上位に食い込みたい」。スポットライトを浴びて、目いっぱい楽しむつもりだ。=敬称略

(堀部遥)

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