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ゴルフの金谷、プロ転向 憧れの松山先輩の軌跡追う
編集委員 吉良幸雄

2020/10/21 3:00
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プロデビュー戦となった日本オープンの第1日、1番でティーショットを放つ金谷=共同

プロデビュー戦となった日本オープンの第1日、1番でティーショットを放つ金谷=共同

「松山さんのライバルと思われる選手になりたい」。米男子ゴルフツアー5勝の松山英樹の東北福祉大の後輩で、10月2日にプロ転向を発表した金谷拓実(22)が、国内最高峰のメジャー、日本オープン選手権(千葉・紫CCすみれ)でプロデビューした。デビュー戦Vはならなかったが、通算5アンダー、275で2年ぶり2度目の大会制覇を果たした稲森佑貴と4打差の7位。プロとして、まずは順調に第一歩を踏み出した。

1998年5月生まれで、国内女子ツアーを席巻する「黄金世代」と同学年。92年2月生まれで28歳の松山とは7学年違いだ。「年齢はそんなに離れていない。世界で活躍する松山先輩が目標」。憧れの先輩を仰ぎ見ながら、金谷はゴルファーとして、松山とそっくりの軌跡を歩んでいる。

松山は2010年、大学1年でアジア・アマチュア選手権を制し、翌週の日本オープンは3位に入りローアマに。11年マスターズ・トーナメントで日本選手として初のローアマを獲得(27位)、同年11月の三井住友VISA太平洋マスターズで倉本昌弘、石川遼に続くアマ優勝、12年にアマ世界ランク1位に輝いた。13年4月、大学4年でプロ転向、第2戦のつるやオープンでプロ初優勝を飾っている。

一方の金谷は広島国際学院高2年の15年、史上最年少の17歳51日で日本アマ優勝。同年の日本オープンは2位で予選突破し史上最年少でローアマを獲得(11位)。大学1年の17年は日本オープンで1打差の2位、18年アジア太平洋アマを制し、19年マスターズで予選突破(58位)。8月にアマ世界ランク1位になり、VISA太平洋で史上4人目のアマ優勝。そして大学4年でプロ転向――。

2019年の三井住友VISA太平洋マスターズで優勝した金谷=共同

2019年の三井住友VISA太平洋マスターズで優勝した金谷=共同

180センチの松山に比べ、172センチと上背がなく、スケール感という点ではひけをとる。しかし小技、特にパットは秀逸。筋力トレーニングで体を鍛え、パワーアップし飛距離も伸びた。頬はふっくらし、ひ弱さを感じさせた高校時代とは見違える体つきだ。

日本オープンでは最終日に5打差の5位から逆転優勝を狙っていただけに、金谷にとってプロ初戦は物足りないだろう。得意のパットが決まらず69と伸び悩んだ。「天気が良く、昨日の湿ったグリーンと違って、うまくラインに乗せることができなかった」と振り返る。フェアウエーキープ率は4日間で稲森に次ぐ2位(73.21%)、パーオン率は4位(65.28%)。半面、平均パット数は18位とグリーン上で実力を発揮できなかった。初日は3パットボギーが2回あり、48位とやや出遅れたのが響いた形だ。

「いつも初日が苦手で課題。いろいろ考えているけれどうまくいかない」。18番のイーグルで劇的なアマVを飾った昨年のVISA太平洋は初日51位。5位に入った今年9月のフジサンケイCも初日は36位だった。「スロースターター」なのも松山譲りなのか? とはいえ、プロデビュー戦は先輩の10位を上回る7位。「松山イズム」を引き継ぐ金谷の背中を追い、後輩の杉原大河(20、東北福祉大3年)も5位と大健闘した。

マコーマックメダルを受賞し、笑顔で写真に納まる金谷=共同

マコーマックメダルを受賞し、笑顔で写真に納まる金谷=共同

大会前日の14日、アマ世界ランク1位の選手に与えられるマコーマックメダルを日本選手として初めて授与された。「アマとして、ナンバーワンのマコーマック賞を獲得するのを目標にやってきた。歴代1位も(その後に)活躍している選手が多く、名誉ある賞を頂いた」。過去の受賞者には世界ランク2位のジョン・ラーム(スペイン)、14位のパトリック・カントレー(米国)、44位のホアキン・ニーマン(チリ)らが並ぶ。

金谷の成長には、日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームでの活動が下地になっている。金谷も、ガレス・ジョーンズ・コーチの指導で多くを学んだという。同チームの方針は、練習ではアプローチ、パットが65%でショットは35%。グリーンの硬さやスピード、グリーン周りや風の状況など情報収集やコースマネジメントの重要性を教えこむ。金谷は練習ラウンドではグリーンで水準器を使い傾斜をチェック、コースの形状をしっかり把握して試合に臨んでいる。「準備をしっかりすることが大切と、コーチに言われてきた」

スコアメークに重要で、ジュニア時代から得意だったショートゲームに磨きをかけ、体力強化によってショットの安定性も増した。「ショットの精度、パットは自信を持っている」と金谷。予選ラウンドで同組で、今回は3位だった石川遼は「トップクラスのプロにすぐにでもなると思う。ゴルフに対する情熱を感じるし集中力、心の強い選手」と高く評価する。

日本オープンの第1日、ホールアウトしタッチを交わす(左から)石川遼、金谷、(1人おいて)星野陸也=共同

日本オープンの第1日、ホールアウトしタッチを交わす(左から)石川遼、金谷、(1人おいて)星野陸也=共同

日本オープンでは大学の後輩と同じユニホームで戦った。「気分はまだアマ。プロとしても一打に対する思いは変わらない。一打一打丁寧にやるだけ」。ただ、今後について「世界一に向け、やっている。(当面は)世界ランク50位以内に早く入るのを目標に。いい結果を残してランクをどんどん上げ、海外の試合に出られるように。早く優勝したい」と志は高い。同い年でジュニア大会で顔なじみのニーマンは既に米ツアーで1勝しているだけに「同世代が活躍。早くその世界で戦いたい」。

初戦で獲得した賞金は661万5000円。プロ第2戦は22日開幕の米ツアー、ZOZO選手権(カリフォルニア州)で「来週はたくさんゲットしたい」と不敵な笑みを浮かべた。

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