道路陥没で外環道トンネル工事中止 東日本高速

東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事現場上で18日発生した住宅街の道路陥没について、東日本高速道路は19日、原因究明に向けた学識経験者による検討委員会を開催した。
地盤状況の確認や地下水の成分を分析して原因を調査する方針を確認。同社は現時点で工事との因果関係は不明としつつ、調査で原因が判明するまでは工事を中断する。
東日本高速道路によると、陥没は地表部分で発生し、縦約5メートル、横約3メートル、深さ約5メートルに及んだ。空洞の大きさは約140立方メートルと推定している。
工事はシールドマシンを使って地下40メートルより深い地点で実施。陥没があった地点は9月14日に通過しており、その後に近隣住民からひび割れなどの苦情が数件あったとしている。陥没箇所を砂で埋め戻す応急処置は完了し、24時間態勢の巡回監視を続けている。
同社は18日午前9時半ごろ、付近の地表面の沈下を発見。ひび割れなどが起き、同日午後0時半ごろに陥没を確認した。
早期開通を国に要望してきた東京都は事業者に事故原因の究明と住民への説明を求める観点から情報収集を始めた。都議会では自民、公明、共産の各会派が工事の安全確保や再発防止策を求める要望書を小池百合子知事宛てに提出した。
外環道は東京都心から約15キロの距離を環状に通る。延長約85キロで、都心の慢性的な渋滞を緩和する効果が期待されている。大泉ジャンクション(JCT、東京都練馬区)と高谷JCT(千葉県市川市)の約49キロが開通済み。現在は関越道と東名高速を結ぶ約16キロを建設している。住宅密集地を通るため、大部分は地下40メートルより深い「大深度」と呼ばれる地下空間を利用する。〔共同〕
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