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平時の豪艦艇防護可能に 日豪防衛相、「準同盟」深化

中国警戒で安保・経済の協力拡大

岸信夫防衛相は19日、防衛省でオーストラリアのレイノルズ国防相と会談した。安全保障関連法に基づき、平時に豪軍の艦艇などを守る「武器等防護」の実施に向け調整を始めると合意した。同国が中国と対立しているのを見据えて「準同盟国」として安保と経済の両面で関係を深化する。

共同記者発表を終え退出する岸信夫防衛相(右)とオーストラリアのレイノルズ国防相(19日、防衛省)

岸氏は会談の冒頭で「戦略的利益を共有する豪州との防衛協力がかつてなく重要になっている」と話した。レイノルズ氏は「価値観を共有するパートナーとして重視している」と述べた。

両氏は会談後に共同声明を発表した。東シナ海や南シナ海で軍事活動を活発化させる中国を念頭に「力による一方的な行為に対する強い反対の意を強固なものとした」と強調した。

武器等防護は2015年成立の安保法に自衛隊の新任務として規定した。日本の防衛に資する活動に従事する外国軍の艦船や戦闘機を自衛隊が警護し、必要最小限の武器の使用を認める。

現在は外国軍の対象は米軍のみ。昨年は14件実施し、共同訓練時や弾道ミサイルの警戒監視の際に米軍の艦艇や航空機を防護した。

豪軍にも適用すれば2カ国目となる。海上自衛隊と豪海軍は10年以上、共同訓練を継続してきた。

今年9月の訓練は南シナ海で海自の護衛艦と豪海軍の駆逐艦が参加し連携を確かめた。昨年には初めて戦闘機の共同訓練も開催した。武器等防護の任務を認め、より実践的な協力をめざす。

宇宙・サイバー分野の協力も申し合わせた。岸氏は会談後の共同記者発表で「自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向け、両国の防衛協力を一層深化させる」と語った。

日豪の接近は豪州と中国との関係が冷え込んでいることが背景にある。近年、豪州と中国は通商面の結びつきを強めてきたものの、新型コロナウイルスの感染拡大後は発生源の調査を世界保健機関(WHO)に求めたことに中国が反発した。

中国は豪州産の大麦や食肉の輸入を規制し、自国民に豪州への旅行や留学を自粛するよう勧告した。中国による経済報復とみられる。豪州も南シナ海での中国の活動を批判している。

日豪両国は経済面の協調も広げる。梶山弘志経済産業相は9月、豪州やインドの担当閣僚とサプライチェーン(供給網)強化に向けた共同声明を出した。

新型コロナの影響で中国から電子部品の輸入が滞り、国内製造業の生産ラインに支障が生じたのを受けた措置となる。非常時も安定して部品などを調達できる体制を豪州と構築する。

今月7日には茂木敏充外相がペイン豪外相と会談し、コロナの感染収束をにらみ往来の再開に向けた方策を協議した。

日豪は米国を含む3カ国の結束によって中国の軍事活動の抑止を狙う。岸氏は会談後、19日から南シナ海で日米豪の艦艇による共同訓練を実施すると記者団に明らかにした。インドを加えた4カ国の枠組みを「防衛協力の分野でも進めないといけない」と言及した。

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