アゼルバイジャンとアルメニア、停戦再合意も維持課題

ヨーロッパ
中東・アフリカ
2020/10/19 0:06
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10日の停戦合意後も戦闘が続いていた(17日、ナゴルノカラバフ)=ロイター

10日の停戦合意後も戦闘が続いていた(17日、ナゴルノカラバフ)=ロイター

【モスクワ=小川知世、イスタンブール=木寺もも子】アゼルバイジャンとアルメニアは17日、ナゴルノカラバフ地域の帰属を巡る紛争で18日からの停戦に合意した。10日に合意した停戦後も戦闘はやまず、互いに相手の違反を主張していた。仲介役のロシアなどは再度の合意で緊張の緩和を探るが、停戦を維持できるかは不透明だ。

停戦は捕虜の交換などの人道目的で、18日午前0時(日本時間午前5時)に発効した。合意に先立ち、ロシアのラブロフ外相は双方との電話で10日の停戦合意を厳守する必要性を強調し、欧州安保協力機構(OSCE)の枠組みで和平交渉を始める方針を確認した。

10日の停戦合意から1週間での仕切り直しには、停戦が事実上崩壊していたことがある。

アゼルバイジャンの大統領府は17日、東部にある第2の都市ギャンジャの住宅地が同日未明にアルメニアからミサイル攻撃を受けたと明らかにした。市民13人が死亡、50人以上が負傷したとしている。アリエフ大統領は「国際社会がアルメニアを罰しないなら我々がやる」と警告した。

アルメニアも17日、ナゴルノカラバフの中心都市などが攻撃を受けたと主張した。

9月27日に戦闘が始まって以降、双方の死者は公式発表だけで750人を超えた。両国とも被害がさらに膨らむのは避けたいが、国民の対立感情は根強く、相手国に譲歩したと取られれば、反発は必至だ。18日の停戦発効後も、早くも双方が相手の停戦違反を主張した。暫定的な停戦にこぎ着けても、和平交渉で妥協点を見つけるハードルはさらに高い。

攻撃を受けたアゼルバイジャン第2の都市で救助作業に当たる隊員ら(17日、ギャンジャ)=ロイター

攻撃を受けたアゼルバイジャン第2の都市で救助作業に当たる隊員ら(17日、ギャンジャ)=ロイター

12歳の時にナゴルノカラバフの近隣県を追われ国内避難民になったアゼルバイジャンの記者、アナル・タヒロフさん(39)は「与野党を問わず、国民は全面的に軍事行動を支持している」と話す。

ロシアは沈静化に苦心している。ラブロフ外相は14日、停戦確立のため双方の同意を得た上で、ロシア軍から監視団を派遣する可能性に言及した。一時的な戦闘停止すら達成できなければ、旧ソ連圏におけるロシアの影響力の低下を露呈しかねない。

両国はアルメニア系住民が多数を占めるアゼルバイジャン領のナゴルノカラバフを巡ってソ連時代から衝突を繰り返してきた。ナゴルノカラバフからアルメニアの首都に避難中のマリアム・アンドレシャンさん(25)は「生まれ育った土地を守りたいだけで、誰も戦争は望んでいない」と早期の情勢安定を訴えた。

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