イラン、武器売買の再開を宣言 国連禁輸措置が期限

イラン緊迫
中東・アフリカ
2020/10/18 19:49
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イランのロウハニ大統領=AP

イランのロウハニ大統領=AP

【ドバイ=岐部秀光】イラン政府は18日、同国が武器を売ったり買ったりすることを禁じた国連安全保障理事会の制裁措置が同日に期限を迎え、自由な取引が可能になったと発表した。対立する米国はイランがロシアなどからミサイルや戦闘機を調達し、軍事力を高めることを警戒している。

イランのザリフ外相はツイッターで「米国の悪意に対抗し、安保理決議と核合意を守った、国際社会にとって記念すべき日だ」と述べた。イラン外務省は声明で「必要な武器をだれからでも制限なく調達できる」と指摘した。武器調達は防衛目的であると強調した。

国連の武器禁輸措置は2007年に導入された。2015年にイランと米中ロ英独仏が結んだイラン核合意で、20年10月の解除が決められていた。米政府はイランによる核合意違反を根拠として禁輸の継続を求めたが、欧州でさえ、核合意を離脱した米国の主張の正当性に同意しなかった。

ただ、イランとの武器取引のハードルはなお高い。国連制裁より強力な米制裁を恐れ、各国は慎重な立場を続けるとみられる。米国の原油、金融制裁でイランが武器を調達する資金にも限界がある。中国やロシアはイランの市場に関心を向けるものの、イランと対立するアラブ諸国との関係にも配慮せざるを得ない。

核合意には、今回の武器禁輸措置の解除と同様、イランの義務や制限が徐々に失効する「サンセット条項」がいくつも盛り込まれている。核合意の設計者は、合意によって稼ぎ出した時間を使って、イランを巡る地域の緊張を話し合いで解決しようとした。

しかし、トランプ米政権は18年、現実的な代案もなく核合意から一方的に離脱し、イランも義務から逸脱を重ねた。新たな合意がなければ、中東で危険な軍拡競争が広がりかねない。

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