ファンと触れ合う「平熱の勝負師」 次代担う芝野虎丸
囲碁の闘士たち(2)
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「名人にはなりましたけど、囲碁だけやっていていいのかなといつも思いますし、むしろプロになりたかったわけでもないです。けっして囲碁が嫌いなわけではないのですが……」
2019年秋、芝野虎丸は史上最年少19歳で名人のタイトルを獲得した。勢いにのって王座戦で井山裕太を倒して二冠、さらに三冠と積み重ねた。連載前回で触れた、しばしば井山を打ちのめしているという若手こそ、この芝野だ。今秋、名人を失って二冠に戻...
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碁盤の前にかしこまり、パチリパチリと石を打つ。そんな静かなイメージを、見事に裏切るのが現代の囲碁棋士たちだ。何度打ちのめされても不屈の精神で起き上がる。小さなころから海外へ武者修行にでかけ、人間を上回る能力を身につけつつある人工知能(AI)にもひるまない。しなやかさとタフさを兼ね備えた闘士たちの姿を追う。