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NZ総選挙、与党・労働党が単独過半数 首相続投確実に

(更新)
続投を決め勝利宣言するアーダーン首相(17日、オークランド)=AP

【シドニー=松本史】ニュージーランド(NZ)議会(一院制、定数120)の総選挙が17日、投開票された。アーダーン首相(40)率いる与党・労働党が単独過半数を獲得し、圧勝した。続投を決めたアーダーン氏は安定した政権基盤を得て、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の回復に取り組む。

アーダーン氏は同日夜、「NZ(国民)は労働党に対し、少なくとも過去50年で最大の支持を示した」と勝利宣言した。

選挙管理委員会が発表した暫定結果(開票率100%)によると、議席数は労働党が64、国民党が35、少数政党の緑の党とACT党が各10の見込み。労働党は改選前の46から大きく躍進し、現行の選挙制度が導入された1996年以降初めて単独で過半数を獲得した政党となる。

労働党は前回2017年の総選挙で9年ぶりの政権交代を実現した。しかし議席数は当時の与党だった国民党を下回り、少数政党との連立や閣外協力で過半数を維持してきた。

躍進の背景には新型コロナウイルスの感染封じ込めで世界的な評価を得たアーダーン氏の存在がある。最大野党・国民党は女性党首のコリンズ氏(61)のもと巻き返しを狙ったが、労働党に対し明確な争点を打ち出せず、議席を大きく減らした。

アーダーン氏は新型コロナを受けて3月に外国人の入国を禁止し、世界的にも厳しい行動規制を導入した。雇用維持を中心とした経済対策も素早く講じ、売上高が落ちた企業には従業員への賃金補助を提供。国民の約3分の1に当たる約170万人に計140億NZドル(約9800億円)を支給した。

労働党は選挙公約でも新型コロナによる失業に対応するため積極的なインフラ投資などを掲げ、約4万人分の雇用を創出すると主張してきた。

財政規律を保つため、高所得者層への所得税率を引き上げ、18万NZドル(約1300万円)を超える収入に対し、39%の税率を導入する方針を示した。これまでは7万NZドル超への33%が最高税率だった。グーグルなどIT(情報技術)大手に対するデジタルサービス税も検討する。

今後には不透明感も漂う。NZは4~6月期、国内総生産(GDP)が前期比12.2%減と2四半期連続でマイナスとなり、一般的な定義で9年半ぶりの景気後退に陥った。12.1%減となった個人消費に加え、モノとサービスの輸出も15.8%減と打撃を受けた。

NZは新型コロナを警戒し、現在も外国人の入国は原則禁止としている。厳格な国境管理が長引けばGDPの約10%を占める観光業や、留学生が多い教育産業への打撃も大きい。市中感染が発覚するたびに厳しい行動規制を敷けば、経済回復はその分遅れる。

NZの総選挙は小選挙区比例代表併用制をとる。有権者は投票時、選挙区の候補者に加え支持政党を選ぶ。議席は政党得票率に応じて各党に比例配分する。

総選挙と同時に、嗜好品としての大麻の合法化と、すでに議会で可決した安楽死を巡る法律を施行するかを問う国民投票もした。選挙管理委員会は、国民投票の暫定結果を30日に発表する。

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