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米国でギター大売れ 新型コロナ契機、余暇を習い事に

(更新)

【シカゴ=野毛洋子】米国でギターが売れている。米大手フェンダー(アリゾナ州)の売り上げは過去最高に伸びたほか、ネット経由の楽器販売会社は経営陣も含め社員総出で出荷作業に追われる。新型コロナウイルス禍で在宅勤務が続くなか、時間やお金を習い事に使う人びとが増えているようだ。

「異変」が起きたのは今年3月だ。1940年代に創業した老舗の楽器メーカー、フェンダーではオンライン注文が急増し、その後も止まらない。アンディ・ムーニー最高経営責任者(CEO)は「今年の売り上げは2ケタ増、過去最高になる」と話す。

ムーニー氏を驚かせたのは、コロナ禍での地域貢献にと3月に始めた無料オンラインレッスンの人気ぶりだ。通常は有料の「フェンダー・プレー」を無料で受講できるプログラムを打ち出したところ、定員枠の10万人を3日で達成。100万人に枠を広げても数週間でいっぱいになった。

売れ筋は初心者向けのエレキギターで、若者が多くその半分が女性だという。米著名歌手のテイラー・スウィフトさんの弾き語りに憧れ、アコースティックギターを購入するファンも多い。ムーニー氏はギターファンが広がれば「生涯に1人5~7本の購入が見込まれる」と、ファン層の拡大を喜ぶ。

10月上旬には米国で伝説のギタリストとして知られるエディ・ヴァン・ヘイレンさんが死去したことが大きく報じられており、ギター人気に拍車をかける可能性がある。

「毎日がブラックフライデーのようだ」。ブラックフライデーはクリスマス商戦幕開けとなる大型セール。米最大の楽器のネット通販会社スイートウオーター(本社インディアナ州)のチャック・スラックCEOはうれしい悲鳴をあげる。

同社の売上高は9月時点で前年より4割多く、過去最高になっている。注文殺到に人手が足らず、経営陣も含め社員総出で倉庫に入り商品の梱包や配送作業に追われる。今年の売上高は過去最高の10億ドル(約1千億円)台に達する見通しで、従業員の追加採用を急ぐ。

コロナ特需ともいえるギター人気だが、背景には消費者の生活様式の変化がある。在宅勤務で通勤時間が浮くほか、外食や旅行の機会も減った。余暇の過ごし方は「ステイケーション」(自宅で過ごすバケーション)が主流だ。浮いたお金や時間を趣味や技能の習得に回している。

語学やアートのオンライン講座にも参加者が集まる。ニューヨークに拠点を置く「スキルシェア」は年間会費99ドルでクラス取り放題のサービスを提供する。新型コロナの外出規制下で1日当たりの新規会員数は3倍以上増えた。ビデオの撮り方から賢い起業の方法まで数千種類の講座があり、1200万人が利用する。

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