経産省、石炭火力削減で制度設計を開始

2020/10/16 20:48
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経済産業省は16日、低効率な石炭火力発電所の休廃止を促す制度設計の検討を始めた。電力会社が必ず達成すべき発電効率などの基準づくりや、自家発電用設備の扱いなどが焦点となる。2021年夏をめどとするエネルギー基本計画の改定の議論に反映する。

同日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の会合で、電力会社や製造業へのヒアリングを踏まえた論点を提示した。

テーマの一つが石炭火力に絞った発電効率の達成目標の新設だ。現状は液化天然ガス(LNG)や石油も含めた火力全体の指標しかない。石炭はLNGや石油と比べ温暖化ガスの排出量が多い。石炭に限った目標づくりは早期の休廃止を進めるカギになる。

目標設定では、どこまで強制力を持たせるかも大きな検討課題になる。いまの火力の目標は義務ではない。義務化する場合、実現可能性を考慮する必要があり、あまり高い目標は掲げにくくなる可能性がある。

電力会社以外の一般の企業が自分で使うための発電設備の扱いも論点とした。鉄鋼や化学などの業界団体は一律の規制に反対している。比較的安価にできる自家発電まで休廃止を求められると、電力の調達コストが増して国際競争力が低下しかねないためだ。

低効率な石炭火力の休廃止を巡っては、沖縄などのように地理的な要因から設備の休廃止が難しい地域も存在する。個別事情に配慮しすぎると、脱炭素の流れは遠のく。一方で画一的な強い規制をかければ安定供給や企業の競争力にしわ寄せが及ぶ恐れがある。

梶山弘志経済産業相は再生可能エネルギーを主力電源にする意向を示している。石炭火力の削減は、厳しい国際世論を意識しつつ地域や企業によって多様な事情に目を配る難しい作業になる。

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