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中東の外交地図、再び一変も 米大統領選の結果が左右

米大統領選 揺れる世界(4)

(更新)
国交正常化の協定書にサインした米大統領トランプ(中)ら(9月15日、ワシントン)=ロイター

ペルシャ湾岸の小国クウェート。9月末~10月初めに中東外交のキーマンが相次いで訪問した。米国防長官マーク・エスパー、トルコ大統領のレジェップ・タイップ・エルドアン、カタールのタミム・ビン・ハマド・サーニ首長、イラン外相のモハンマドジャバド・ザリフ――。

亡くなったクウェートの前首長への弔問が目的だが、ナワフ新首長と相次いで会談。多くのキーマンが集まったことは、米大統領選後に来る次の嵐の大きさを予感させた。

米大統領トランプは中東外交に歴史的転換をもたらした。敵対してきたイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの国交正常化だ。イスラエル首相のネタニヤフは9月末の国連総会で、より多くのアラブの国が「すぐに」追随すると予告。「トランプ再選なら、強硬なパレスチナも対話に応じるだろう」。ネタニヤフは非公式の場でこんな見方ももらした。

9月26日、米ホワイトハウスの近くにあるワシントン記念塔に集まったトランプの支持者は、記念塔の壁を、ユダヤ教聖地エルサレムにある「嘆きの壁」にみたてて祈りをささげた。トランプは有力支持層であるキリスト教福音派の有権者を意識して、イスラエルへの肩入れとイラン敵視を続ける。いわばその成果がイスラエルとアラブ諸国との国交正常化だ。

「もっと賢いやり方がある」。民主党の大統領候補ジョー・バイデンはトランプ政権のイラン政策を批判する。バイデンが描くのは、トランプが離脱したイラン核合意に復帰し、対話を通じ弾道ミサイル開発や人権侵害の停止を促す戦略だ。米政権が交代すれば、反イランを前提にした今回の中東勢力図の変化はリバーシに似たゲームのように再び一変するかもしれない。

「将来の米政権は、イランが決して屈服しないことを理解すべきだ」とイラン大統領ハッサン・ロウハニは主張する。オバマ政権で成立した核合意で国際社会への復帰が期待されたが、トランプ登場で一気に孤立が深まった。核合意は形ばかりでイランにとっての果実が奪われる一方、重い義務だけが残る。トランプの再選失敗に賭け「忍耐戦術」を続けたが、再選となれば抑制的な対応に終止符を打つかもしれない。(敬称略)

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