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役員賠償保険に関心、刑事有罪は適用外 関電金品問題

関西電力の株主総会会場に向かう株主ら(6月、大阪市住之江区)

関西電力の金品受領問題を巡り、会社法違反容疑などで市民団体が提出していた告発状を大阪地検特捜部が受理した。旧経営陣に対しては、関電や株主から損害賠償を求める訴訟も起きている。関心が集まるのが、役員の賠償金や裁判費用をまかなう「会社役員賠償責任保険」。ただ、刑事事件で有罪になると役員には保険金が支払われなくなる。

不祥事で株主などから訴えられる際に備えるのが役員賠償保険だ。経済産業省の2017年の調査では、日本の上場企業の93%が加入している。関電は八木誠前会長ら旧経営陣5人に約19億円の損害賠償を求めており、個人株主も現旧経営陣らに約92億円を関電に支払うよう訴訟を起こした。

関電によると、退任・現任の役員は全員この保険の対象で、保険料は会社が全て支払っている。大手損保によると、総資産500億円の上場企業で年間保険料は500万円ほど。関電の総資産は20年3月期末で7兆円を超える。原子力発電所を抱え海外事業も活発なため、保険料は高額とみられる。

では保険でいくら支払われるのだろうか。東京海上日動火災保険の17年の調査では、従業員3千人以上の企業で平均額は9億5千万円だった。

企業法務に詳しい山口利昭弁護士は「コンプライアンス意識とともに訴訟リスクは高まっており、保険金を引き上げる企業が増えている」と指摘。保険金は個人ではなく裁判ごとに設定される。関電は金額を明らかにしていないが、会社規模や訴訟リスクを考えると「少なくとも20億円はカバーするのでは」(会社訴訟に詳しい弁護士)との声もある。

ただし、犯罪行為や法令違反を認識しながらの行為には保険は適用されない。現旧の経営陣が会社法違反などで刑事責任を負うことになれば、保険金は下りない。会社側の訴訟対応費用も支払われない可能性がある。

なお、社外の取締役や監査役は賠償責任を問われても、重大な過失がなければ会社法の規定で最大で年間報酬の2倍の額を支払えば済む。

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