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ファストリ、時価総額で任天堂逆転 「DX」化に評価

ファーストリテイリングへの成長期待が高まっている。2021年8月期の連結純利益(国際会計基準)が過去最高になる見通しで、株価は16日に上場来高値を更新。時価総額は任天堂を抜き国内7位に浮上した。新型コロナウイルス下での電子商取引(EC)拡大やデータ分析に基づく生産管理などの「DX」化や中国などでの出店拡大が市場の評価を集める。

16日の株価は一時7万3830円と、2日連続で上場来高値を更新。前日比96円60銭安で引けた日経平均株価を、1銘柄で108円押し上げた。終値ベースの時価総額は7兆7889億円で、任天堂(7兆6262億円)を逆転した。

21年8月期の連結純利益は前期比83%増の1650億円で、事前の市場予想平均(1559億円)を上回る。好業績のけん引役はDXの取り組み。クレディ・スイス証券の風早隆弘氏は「早期にデジタル投資を進めており、生産効率では国内の同業他社との差がさらに広がる」と分析する。

無駄のない生産体制の構築が進んでいる。ECでの購買履歴や店頭の商品に付けたICタグの記録から売れ筋商品を分析。収集したデータを全社で共有し、人工知能(AI)も活用しつつ、売れ筋商品を的確に生産・販売する仕組みを整える。

柳井正会長兼社長は「1年中、商品を作りながら売っていく体制」を目指すと話す。コロナ禍を受けても、8月末時点の棚卸し資産は2%増にとどまり、「21年8月期は値引き率を改善できそう」(ゴールドマン・サックス証券の河野祥氏)。

ネットで注文した商品を店舗で受け取る「クリック&コレクト」も導入した。20年8月期のEC売上高は国内ユニクロ事業で前の期比29%増の1076億円。売上高に占める割合は13%に高まった。21年8月期は前期比15%の増収を見込む。

アジアでの成長期待も高い。新型コロナによる落ち込みからいち早く回復した中華圏では21年8月期は100店の出店を計画し、前期の76店から再加速する方針だ。中長期的には3000店(8月末は866店)体制も視野に入れている。

新型コロナの打撃は欧米で大きく、アジアに軸足を置くファストリの復調は早い。感染拡大前の1月末比で株価を比較すると、「ZARA」を手がけるスペインのインディテックス、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は2~3割下落した一方、2割上昇したファストリの優位性が際立った。アパレルの時価総額で首位のインディテックス(約730億ユーロ=約9兆円)との差は縮まっている。

もっとも、ファストリのPER(株価収益率)は45倍台と、同じく好調が続くニトリホールディングス(29倍台)と比べ割高感があり、短期的には利益確定売りが出やすい局面だ。中長期でもロックダウン(都市封鎖)で休業が広がれば、今期のV字回復が前提の株価は調整が入りそうだ。

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