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「言いだしっぺ」が企画主導 学習塾のケーイーシー

はたらく

KEContestの模擬授業の様子(2019年12月)

奈良県内を中心に約40カ所で学習塾を展開するケーイーシー(同県生駒市)は、「言いだーシップ制度」と呼ぶユニークな社内制度を2015年度から導入している。文字通り「言いだしっぺ」の提案者がリーダー役となってプロジェクトを推進するもので、現場の講師の熱意や主体性を育むことを目的としている。

「講師が楽しんで働くことが、生徒が学びを楽しむことにつながる」(小椋義則社長)という理念の下、提案は通年で受け付け、書面での審査、経営会議でのプレゼンを経て承認されると、実行に向けた予算がつく。この制度から新しい学習コースが誕生したり、生徒との野外キャンプを実施したりと、様々なアイデアが実現されてきた。

ケーイーシーには小中高生から浪人生まで約5700人の生徒が在籍。講師陣は600人を超え、うち約500人は学生講師だ。意欲的な学生のアイデアには大きな期待を寄せており、「言いだーシップ制度」への提案も認めている。

ある学生講師の発案で19年12月に実現したのが、「KEContest(ケーイーコンテスト)」だ。それまでなかった学生講師の頑張りを評価する場をコンテスト形式で設けた。

目玉の授業部門では、各教室から推薦された学生がビデオ審査による予選を経て、4人で競う最終の模擬授業に臨んだ。予選の審査は社員が担当し、落選した学生にも丁寧に助言して授業の質向上につなげ、「いい仲間」「ルーキー」など部門別の表彰も行った。

コンテストには学生、社員ら計約150人が参加。学生6人が主体となり、運営に関わる学生の人件費を含めた予算設定など、綿密に準備を進めた。「言いだしっぺ」の一人、京都産業大の矢部達大さん(22)は「学生講師の満足度も目標を超え、充実した時間になった」と語る。運営を補佐した社員も「学生さんの頑張りを見て、私たちも刺激を受けた」という。

こうした制度が生まれた背景には、「楽しい学びの場」を提供するための試行錯誤がある。楽しさの源泉は講師の主体性、熱意であり、生徒に伝わることで好循環が生まれる。実際、学生講師の半数以上は元生徒で、講師から正社員になる人も毎年2、3人いる。小椋社長は「自分も含め、一人ひとりの従業員が生き生きと働くことが何よりも大事」と語る。

(三浦日向)

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