情報機器調達「米国と連携」 茂木外相 中国を念頭
茂木敏充外相は16日の記者会見で、安全保障上のリスクがある通信機器の調達を巡り、中国製品の排除を進める米国と連携する意向を示した。6日にポンペオ米国務長官と会談した際にサイバーセキュリティー対策を巡り「米国と協力を深めたい」と伝えたと明らかにした。
トランプ政権は「クリーンネットワーク」計画と称し、通信網やアプリ、クラウドサービスといった5つの重要分野から、信頼性が薄いとみなした中国企業を除外している。茂木氏はポンペオ氏との会談で、同計画に関するやりとりはなかったとしつつ「米国の取り組み全体について説明があった」と話した。
米国務省は国内外の関連施設での次世代通信規格「5G」通信網に中国企業を関与させない「5Gクリーンパス」計画も掲げる。茂木氏は「趣旨に賛同している」と伝達した。
茂木氏は記者会見で「サプライチェーン(供給網)リスク対策を通じたサイバーセキュリティーの確保は極めて重要だ」と指摘した。
日本政府は19年4月以降、安全保障上信頼しにくい通信機器を全省庁で調達しない方針を決めた。中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)などを念頭に通信回線や端末などを対象にしている。
中国企業などを名指しはしないものの、米国とは足並みをそろえる立場を取る。
▼クリーンネットワーク計画 トランプ米政権が個人や企業の情報を守るため、5つの通信分野で中国企業の排除を目指す指針。ポンペオ米国務長官が8月に発表し、同盟国にも賛同を求める。
通信キャリア、アプリストア、スマートフォンのアプリ、クラウドサービス、海底ケーブルの5分野が対象になる。法的な強制力はないが、中国と距離を取るように圧力をかける狙いがある。
11月の米大統領選次第では同計画に変化がある可能性もある。