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ジップエア、3カ月遅れのソウル線旅客便就航

日本航空(JAL)傘下の格安航空会社(LCC)ジップエア・トーキョー(千葉県成田市)は16日、成田―ソウル線の旅客便を初就航した。まずは週2便で始め25日からは週3便に拡大する。当面は帰省やビジネス客の利用が中心となる見込みだ。国内航空会社としては足元では唯一の韓国路線の定期運航で、同社の旅客需要の多寡は他のLCCの運航判断にも影響を与えそうだ。

同日、午前9時32分、白い機体に緑のラインを引いたジップエアの米ボーイング787が成田空港から韓国の仁川国際空港に向けて離陸した。ソウル線の初フライトは9月に貨物専用便として終えているが、地上走行中にウオーターキャノン(放水アーチ)の祝福を受けた「まっさらな状態」で飛び立った。

ジップエア初の旅客便に乗り込む利用客を出迎えるスタッフ(16日、成田空港)

成田空港で就航セレモニーを開いたジップエアの西田真吾社長は「(コロナ禍でも)就航して回復期に備えるのも責務だ。来月分も今日から売り出す」と興奮混じりに話した。本来は7月に旅客便として就航予定だったが、新型コロナウイルスの影響で3カ月以上延期していただけに喜びと安堵はひとしおのようだ。

第一便の旅客は定員290人に対して2人と搭乗率1%に満たなかったが、搭乗業務を担う岡本美紗貴さんは「就航が遅れ士気を保つのは大変だったが、いずれ就航すると信じてきた。お客様には(ジップエアらしい)サービスで快適な旅をお過ごしいただきたい」と、笑顔を見せた。

ソウル線は早期に週7便まで拡大したい考えだ。軌道に乗せるにはビジネス客だけでなく、両国間の規制緩和で本来のターゲットである観光需要の回復が不可欠。同社の運航する787は、一般的なLCCが使うボーイング737や欧州エアバスA320に比べ座席数が多く、損益分岐点を超えるにはより多くの乗客数が必要だ。

ソウルへ出発するジップエア初の旅客便の前で横断幕を掲げるスタッフ(16日、成田空港)

一方、足元では他のLCCより機材が大きい利点の方が大きい。貨物スペース(ベリー)が広く、国際旅客便の大規模な減便であふれた貨物需要の受け皿になれたからだ。航空貨物輸送の運賃は一時、コロナ前の数倍に上昇し足元でも高値が続いている。

航空需要が低迷する中の旅客便の新規就航は、従来であれば赤字リスクが高いが、貨物収入で1便当たりの収支が黒字になることから、他社に先駆けて韓国路線の運航に踏み切れた。

すでに貨物専用便として実績を積んでいる成田―バンコクに加え、今後就航を目指す成田―ホノルルでも貨物需要が見込める。旅客輸送に特化したLCCと比べて就航のハードルは低いとみられ、旅客便として早期就航を目指す。

バンコクでは成田発は貨物専用便で出発し、バンコク発は旅客便として運航する体制を早ければ10月末~11月アタマにも整える。ホノルルもバンコクと同時期には必要な運航許可などを取得したい考えだ。

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