米ネット証券ロビンフッドでハッキング被害 約2000件

【ニューヨーク=吉田圭織】若者を中心に人気が高まっているスマホ専業の米ネット証券、ロビンフッド・ファイナンシャルがハッキング被害に遭ったことが分かった。米ブルームバーグ通信によると規模は2000件近くにのぼったという。新型コロナウイルス感染拡大による外出制限を受けて顧客数が爆発的に増え、体制強化に追われている。
「7千ドル(約74万円)相当の株が勝手に売られ、お金が引き出されていた」。ある利用者はツイッターにこう書き込んだ。「問題を通知したがロビンフッドから反応がない」など、被害に遭った利用者によるSNS(交流サイト)への投稿が相次いだ。
ロビンフッドによると、被害に遭った利用者はアプリ外で個人情報を盗まれたことが原因だったという。同社は日本経済新聞の取材に「被害にあった利用者の口座を保護する努力をしている」とし、「利用者の口座のセキュリティーは最優先であり、真剣に受け止めている」と述べた。
顧客口座数が1300万を超えたロビンフッドでは急成長のひずみが表面化している。株価が乱高下した今年3月にはシステム障害が多発した。被害に遭った利用者が集団訴訟を起こすなど、同社への圧力が増している。今回のハッキング問題を受けて、他のネット証券へ移る利用者も出てきているようだ。
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