レムデシビル、コロナ死亡率に効果薄く WHO治験
FT報道
(更新)
【ニューヨーク=野村優子】世界保健機関(WHO)が実施した臨床試験(治験)で、米製薬大手ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」が入院患者の死亡率改善に大きな効果を与えなかったことが分かった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が16日、電子版で伝えた。
FTによると、WHOの治験は入院患者を対象にレムデシビルを含む複数の治療薬を投与するものだった。その結果、レムデシビルを投与しても入院患者の死亡率や、人工呼吸器の使用率の改善にははほとんど効果がなかったという。今回の治験結果は、新型コロナの治療薬開発への期待に水を差すものとなりそうだ。
レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発された。新型コロナへの効果が確認されたとして、5月に米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を出したほか、日本でも特例承認された。新型コロナに感染したトランプ米大統領にも投与された。現在は新型コロナ治療薬として、世界50カ国で使用されている。

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