フィッチ、財政赤字拡大でチリを格下げ デモが頻発

2020/10/16 2:52
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【サンパウロ=外山尚之】格付け会社フィッチ・レーティングスは15日、チリの外貨建て長期債務格付けを「シングルA」から「シングルAマイナス」に引き下げたと発表した。チリでは反政府デモや新型コロナウイルスの影響で財政赤字が増えていた。

チリでは反政府デモが頻発していた(19年12月、中部バルパライソ)

自国通貨建ての長期債務格付けは「シングルAプラス」から「シングルAマイナス」に引き下げた。格下げに伴い、外貨、自国通貨建てとも格付け見通しは「ネガティブ」から「安定的」に見直した。

チリでは2019年10月から反政府デモが頻発しており、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が中止となるなど、混乱が発生。政府は沈静化のために最低賃金や年金の増額、公共料金の値上げ凍結など大衆迎合的な政策を相次ぎ導入した。新型コロナの感染拡大も加わり、財政赤字の拡大が懸念されていた。

フィッチは「政府の債務負担は中期的に増加が続く」として、19年に国内総生産(GDP)比で28%だった政府債務が21年には37.4%まで増加すると予想している。

財政規律の順守や外資系企業の投資優遇など、市場重視的な経済政策や自由貿易の推進で「南米の優等生」と呼ばれたチリだが、足元では格差の固定化が顕在化し、市民の不満が高まっている。25日には憲法改正の是非を問う国民投票を控えており、中長期的に福祉や教育への公的支出が増えるとみられている。

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