石川の中小2社、間仕切りをオーダーメードで

2020/10/15 20:00
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ナオックスが飲食店向けに製造した間仕切りは難燃性が特徴だ(金沢市)

ナオックスが飲食店向けに製造した間仕切りは難燃性が特徴だ(金沢市)

新型コロナウイルスの飛沫感染を防止するため、あらゆる分野で間仕切りの需要が高まる中、石川の中小企業2社がオーダーメード生産に参入した。顧客の要望に応じ、大きさ、形、色を変えるほか、素材を工夫して難燃性や軽量化などの付加価値を持たせる。石川は小松ウオール工業コマニーの間仕切り大手2社があるが、中小も小回りが利く強みを生かし、多種多様な需要に応える。

建設機械部品などを製造するナオックス(金沢市)は、1枚から間仕切りの注文を受け付ける。第1段として8月にボイストレーニングを手掛ける研声舎(同)に訓練用の間仕切りを納入した。

ナオックスが製造したボイストレーニング向け間仕切りは鏡扉を付けて姿勢を確認できる(金沢市)

ナオックスが製造したボイストレーニング向け間仕切りは鏡扉を付けて姿勢を確認できる(金沢市)

ボイストレーニングは発声者の立ち姿勢なども指導のポイントになる。サイズは高さ180センチメートル×横幅80センチメートル。透明度の高いフィルムを貼って、講師が生徒の姿勢を見られるようにした。

反射性のフィルムを貼った開閉式の鏡扉も取り付け、生徒は自分の姿を確認しながらトレーニングできる。ガラスではなくフィルムを使用することで軽量化を図った。

飲食店向けには9月、テーブルやカウンターの間仕切りを始めた。飛沫防止機能を高めるため、テーブルの幅から左右20センチメートルはみ出るよう1.2メートルの大きさで製造。難燃性を持つアルミと樹脂の複合材を使用することで安全性を高めた。色は茶や黒系統を用い、落ち着いた店内の雰囲気に合うようにした。納入価格はテーブル向けが5万円程度、カウンター用は9千円前後。

10月中にも第3弾として和食店向けに、和紙のようなデザインのロールカーテンを納入する計画だ。今後は月10件ほどの受注を目指す。

オーダーメード生産では顧客と仕様などの打ち合わせを繰り返し、1カ月程度かかることもある。生産は多品種少量で対応する場合も多い。大手のように自社工場で生産する場合だと、生産効率が落ちてコストがかさんでしまう。この点、ナオックスは全国に提携工場を持ち生産を委託しているため、少量の受注に対応できる。生産のみなら1~2週間程度で可能という。担当者は「中小ならではの強みを生かしている」と話す。

樹脂製品の石川プレート(金沢市)は8月以降、石川県内の介護施設や児童福祉施設などのために、間仕切りをオーダーメードで生産してきた。

介護施設向けでは、足の長さを60センチメートルから1.2メートルの間で自由に変えられる面会用の間仕切りを生産した。入所者が車椅子に座っているか否かで、面会時の高さが異なることに対応した。

児童福祉施設には、廊下で面会をするときに使用する可動式の間仕切りを製造した。発音訓練で用いる間仕切りは子供が動かしてけがにつながることがないように机に連結できる構造にした。

飲食店や自治体、マージャン店などからも受注しており、幅広い業種向けに展開する。間仕切りのオーダーメード生産を核に多角化を進める。2019年は5%だった一般顧客向け製品の売上比率を21年末までに5割に引き上げる。大友隆行社長は「企業向けに製造ラインのカバーを作ってきたので、1点モノの生産は得意。100種類以上の樹脂から使用環境に合ったものを選ぶノウハウがある」と話す。

石川県は飛まつ感染防止用具などの資材を導入するための補助金を設けている。中小企業などを対象に1事業者あたり50万円(補助率は5分の4)を補助する。あらゆる業種で感染防止対策が求められており、通常より高額でもオーダーメードを選択する企業が今後増える可能性がある。   (毛芝雄己)

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