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外食大手9社、収益構造見直しに後れ 6~8月期

新型コロナウイルスで来店客が減った外食大手の収益構造の見直しが進んでいない。15日に出そろった大手9社の2020年6~8月期決算は、いずれも最終損益が赤字転落するか減益だ。3~5月期より客足は戻ったが売上高に対する販売費と一般管理費の比率は高止まり。借入金などで資金の確保を急いでいるが、売り上げ回復へ店づくりの見直しが急務だ。

15日に決算発表したドトール・日レスホールディングスの6~8月期最終損益は13億円の赤字(前年同期は19億円の黒字)だった。主力のカフェ「ドトールコーヒー」の既存店売上高は6~8月にかけて前年同月比3割の落ち込みが続いた。

緊急事態宣言を受けた臨時休業で同6割以上落ち込み、45億円の最終赤字だった3~5月期に比べると持ち直している。ただ売り上げの落ち込みに対して採算の立て直しは道半ば。6~8月期の売上高販管費比率は62%で、3~5月期の65%より抑えたが1年前に比べると11ポイント高い。21年2月期通期の業績予想も引き下げ、最終赤字は79億円と従来予想(41億円)から倍増する。

時価総額が500億円を上回る9社では、6~8月期の最終損益は合計103億円の赤字だった。赤字幅は3~5月期の240億円より小さいが3四半期続けて水面下に沈んだまま。売上高の減少率は3~5月期の35%減から、6~8月期は23%減に小さくなったが、人件費など販管費の見直しが追いつかない。

吉野家ホールディングスの河村泰貴社長は「前期の90%の売り上げでも利益がでる体制にするため、店舗の固定費や本部オフィス面積を減らす」と話す。同社は6~8月期に収益性が下がった店などを対象に減損損失を計上した。リンガーハットの佐々野諸延社長は「赤字の店が足を引っ張らないよう(退店など)思い切って判断する」と語る。

業績の悪化によって4社で現預金や有価証券などの手元流動性が5月末に比べて減り、他の5社も借入金などで資金を確保している。もっとも新型コロナを懸念して店内での飲食を避けるムードが続いている。

必要なのは従来の事業モデルからの転換だ。サイゼリヤは21年春にも、これまでの6割程度の面積の小型店を出店していく方針だ。宅配や持ち帰りへの対応に力を入れ、人件費や設備コストを抑えつつ従来の店と同水準の売り上げの確保を目指す。

今のところ外食企業に対する株式市場の評価は厳しい。9社の株価は19年末に比べ1~3割下げており、1%減にとどまる日経平均株価より売り込まれている。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎氏は「郊外中心のチェーン店では22年2月期にかけて売り上げが新型コロナ流行前に回復する企業も出てくるが、都市部の店は費用構造の見直しが避けられない」と指摘している。

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